
こんばんは、薬剤師のしぐです。
「いつもの目薬、前より高くなった?」
そんな声を、これから薬局やドラッグストアで聞くことが増えるかもしれません。参天製薬が、サンテFXシリーズやソフトサンティアなど、一般用医薬品18品目の価格改定を発表しました。
食料品や日用品の値上げには慣れてきたつもりでも、毎日のように使う薬の値上げとなると、やっぱり気になりますよね。目薬は1本の金額だけで見ると小さな買い物でも、続けて使う人にとっては積み重なる負担です。
今回、最初に押さえたいのは、2027年1月1日以降のメーカー出荷分からの改定で、店頭価格がその日に一斉に変わるという発表ではないこと。
対象と値上げ幅を整理したうえで、「薬局ではどう説明するか」まで考えてみます。
いつから、どれくらい値上げされる?
参天製薬の2026年10月13日付の案内では、次のように発表されています。
| 項目 | 発表内容 |
|---|---|
| 対象 | 一部の一般用医薬品18品目 |
| 改定する価格 | 出荷価格・メーカー希望小売価格 |
| 希望小売価格の改定率 | 現行価格に対して5.7〜33.3%の引き上げ |
| 改定時期 | 2027年1月1日以降のメーカー出荷分 |
| 実際の店頭販売価格 | 各販売店が自主的に決定 |
最大33.3%と聞くと、なかなか大きい数字です。ただし、すべての対象製品が33.3%上がるわけではありません。
また、この案内には品目ごとの新旧価格や改定率の一覧は掲載されていません。「サンテFXが何円になる」「ソフトサンティアが何%上がる」といった個別の数字は、今回の発表だけでは確認できない点に注意したいところです。
価格を案内する際は、メーカー希望小売価格なのか、その店舗の販売価格なのかを分けて説明する必要があります。

対象は18品目|ソフトサンティアやサンテ40も含まれる
サンテFXの名前が見出しになりやすいニュースですが、対象はそれだけではありません。
| 対象製品・シリーズ | 対象品目数 |
|---|---|
| ウェルウォッシュアイa 各種 | 2 |
| ソフトサンティア | 1 |
| ソフトサンティアひとみストレッチ 各種 | 2 |
| サンテFXシリーズ 各種 | 4 |
| サンテボーティエシリーズ 各種 | 3 |
| サンテ40シリーズ 各種 | 3 |
| サンテドウシリーズ 各種 | 2 |
| サンテPC | 1 |
| 合計 | 18 |
※メーカー発表の区分に沿って記載。シリーズ内の個別製品名や包装別の新旧価格は、この案内には掲載されていません。
個人的には、ソフトサンティアが対象に含まれている点も気になります。「いつものものを買い足す」という使い方をしている人にも関係する話だからです。
ニュースをサンテFXだけの値上げとして伝えると、ほかの対象製品を使っている人には届きにくい。薬局では、実際に扱っている製品と対象シリーズを照らし合わせておきたいですね。

原材料だけではない|包装資材・エネルギー・物流も上昇
参天製薬が理由として挙げているのは、原材料や包装資材の価格高騰に加え、エネルギー費・物流費などの上昇です。生産効率の向上やコスト削減を続けても、企業努力だけでは吸収が難しくなったと説明しています。
目薬を見ると、つい「中の液体」の値段を考えてしまいます。でも、製品として手元に届くまでには、容器や箱、製造、輸送なども必要になります。
小さな1本にも、いろいろなコストが乗っているんですよね。
もちろん、背景を理解できることと、購入する人の負担が軽くなることは別です。「原材料が高いから仕方ない」で終わらせず、続けて使う人にどう説明するかも考えたいところです。

なお、今回の発表は価格改定の案内です。この案内だけを根拠に、対象製品が供給停止になった、回収されるといった説明をすることはできません。
2027年1月1日に、店頭価格も一斉に変わる?
ここは、読み違えやすいポイントです。
発表されているのは、2027年1月1日以降のメーカー出荷分から価格を改定するという内容です。各店舗の販売価格の切り替え日を指定したものではありません。
参天製薬も、希望小売価格は参考価格であり、実際の販売価格は各販売店が決めるとしています。
そのため、「年明けからどのお店でも同じ金額になります」とは案内できません。店舗の価格設定や在庫などによって、切り替わり方に違いが出る可能性があります。
薬局で聞かれたときには、こんな説明が分かりやすそうです。
メーカーからは、2027年1月1日以降の出荷分から価格改定する案内が出ています。こちらの店舗での販売価格と変更時期は、確認してご案内しますね。
分かっていることを伝え、店舗としてまだ決まっていないことは確認する。地味ですが、こういう説明がいちばん信頼につながると思います。

値上げ前の買いだめより、「使い切れるか」を考えたい
値上げのニュースを見ると、「今のうちに多めに買っておこうかな」と思うのは自然です。
ただ、目薬は買った数だけ得になるとは限りません。使用期限や開封後の取扱いは、製品ごとの表示を確認する必要があります。
手元の在庫を把握しないまま増やすと、使い切れずに残ってしまうことも考えられます。まずは、現在どのくらい使っているか、未開封の在庫があるかを確認したいですね。
節約を考えるときも、「いちばん安いものに替える」で終わらせたくありません。
薬局としては、何の症状に使っているのか、コンタクトレンズを使うか、どの製品を選んでいるかを確認し、その製品の表示に沿って相談に乗りたいところです。
負担を抑えることと、自分に合う製品を選ぶこと。その両方を一緒に考えられるのが、薬局の役割だと思います。
薬局では、価格の説明まで含めて準備しておきたい
今回の値上げで、薬局側が準備しておきたいことを整理します。
| 準備すること | 確認するポイント |
|---|---|
| 取扱製品の照合 | 対象シリーズに含まれる販売名・包装を確認する |
| 仕入れ条件の確認 | 卸などからの案内で改定時期・仕入れ価格を確認する |
| 店頭価格の整理 | 売価の変更時期、棚札・レジ登録・通販表示をそろえる |
| スタッフ間の共有 | メーカー出荷日と店頭売価の変更日を混同しない |
| 購入者への説明 | 希望小売価格と、その店の販売価格を分けて伝える |
「値上げしたんです」で終わると、購入する側には理由も選択肢も残りません。
なぜ変わるのか、いつからなのか、今使っている製品が対象なのか。ここまで整理できているだけでも、説明の受け止められ方は違うはずです。
OTCの相談では、薬の成分だけでなく、続けて購入できる価格かどうかも大切です。今回のニュースは、そのことを改めて考えるきっかけになりますね。
OTC点眼薬の別の動きとして、アレジオン点眼薬についても整理しています。価格改定とは別の話題ですが、市販薬の選択肢を考えるときにあわせてどうぞ。

よくある質問
サンテFXはいつから値上げされますか?
サンテFXシリーズを含む対象製品は、2027年1月1日以降のメーカー出荷分から価格改定されます。店舗ごとの販売価格の変更時期は、それぞれの販売店で確認してください。
値上げ幅はどれくらいですか?
対象製品のメーカー希望小売価格は、現行価格に対して5.7〜33.3%引き上げられます。すべて同じ改定率ではなく、品目別の率は今回の案内では確認できません。
ソフトサンティアも対象ですか?
対象です。ソフトサンティア1品目に加え、ソフトサンティアひとみストレッチ各種2品目も発表に含まれています。
改定後の価格は全店舗で同じですか?
同じとは限りません。メーカー希望小売価格は参考価格であり、実際の販売価格は各販売店が自主的に決めます。
医療機関で処方される目薬も、今回の値上げ対象ですか?
今回の案内の対象は一般用医薬品18品目です。医療用点眼薬の薬価改定を発表したものではありません。
まとめ|目薬の値上げを、購入者の相談につなげたい
サンテFXなど18品目の値上げは、2027年1月1日以降のメーカー出荷分から。希望小売価格の引き上げ幅は5.7〜33.3%で、実際の店頭価格は各販売店が決めます。
身近な目薬の値上げだからこそ、「また高くなるのか」と感じる人はいると思います。その気持ちを置き去りにせず、対象製品と価格をきちんと伝え、必要なら選び方の相談にもつなげたいですね。
薬局は、価格が変わったことを知らせる場所であると同時に、これからどう使い続けるかを一緒に考えられる場所でもある。
今回のニュースからは、そんなOTC販売の大切さを感じました。
※価格改定情報は2026年10月14日時点。参天製薬「一部製品の価格改定に関するご案内」(2026年10月13日)を基に整理しています。


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