多発性硬化症:MSについて。概要や治療薬、略称について

薬剤師のしぐです。

本日は多発性硬化症について!

いやー名前だけですでに難しい疾患で、もうどんな病態なのか。どんな症状が出るのか。

どんな作用機序の医薬品が用いられるのか。さっぱりな薬剤師さんが多いかと思います。

正直自分も全く詳しくないです。そんな中、ちょうど勉強会が開かれることになったので、その内容も含めてまとめてみようかと思います。

以前まとめたことのある多発性硬化症の治療薬「テクフィデラカプセル」についてがこちら。

では、簡単に、できるだけわかりやすくまとめていきます〜

多発性硬化症:MSとは

多発性硬化症は、欧米人に多い疾患と言われていて、日本では約12,000人の患者がいると推定されていています。

平均発症年齢は30歳前後であることが多く、20歳代での発症も多いようです。女性の患者さんが多く、男性の2〜3倍の患者数と報告されています。

病気の経過に応じて、「再発寛解型」「一次性進行型」「二次性進行型」に分類され、再発寛解型は症状が現れては治ることを繰り返し、日本ではそのうちの約20%が数十年後に二次性進行型へと移行すると言われています。

多発性硬化症の略称であるMSは「Multiple Sclerosis」となります。また、この多発性硬化症は厚生労働省の指定する難病の1つとなります。

多発性硬化症:MSの原因

現在のところ、多発性硬化症が発症する正確な原因はわかっていません。

しかし、免疫異常がその発症に関わっていると考えられています。多発性硬化症が起こると、本来自己を守るジャズの免疫システムが髄鞘を攻撃して軸索がむき出しの状態になる「脱髄」が引き起こされます。

脱髄が起こると神経伝導がうまくいかなくなり、神経症状が現れるようになります。

多発性硬化症:MSの症状

脱髄病変の起こった部位によって、下記神経症状が認められます。

視神経

  • 視力視野障害(ものが見えにくくなる)
  • 複視(ものが二重に見える)
  • 感覚障害(しびれる)

運動神経

  • 運動障害(力が入りにくくになる、動きにくい)
  • 歩行障害
  • 排尿障害

その他

  • 構音障害(発声や発語が困難になる)
  • 高次脳機能障害(記憶障害や注意障害など)

多発性硬化症:MSの検査・診断

多発性硬化症の検査では、まずは神経学的検査が行われます。

視力障害、感覚障害、運動麻痺などさまざまな神経症状について病歴の詳しい聞き取りや、物の見え方、眼球運動、体の感覚、運動機能など、体の状態を確認する基本的な検査です。

また、神経学的検査に加えて、MRI検査、髄液検査、誘発電位検査などが合わせて実施されます。

多発性硬化症:MSの治療

多発性硬化症の治療は、発症の原因が明らかになっていないことから、神経症状の早期回復ならびに再発の予防、障害の進行抑制を目的とした薬物療法が中心となっています。

初めて症状が現れた時、あるいは再発時には、メチルプレドニゾロンという副腎皮質ステロイド薬を用いたステロイドパルス療法が行われます。

多発性硬化症:MS疾患修飾薬(DMD)は、再発の予防や病気による身体障害の進行を抑制する目的で使用される薬剤のことです。

治療薬としては下記薬剤があります。薬剤師としては、ここが1番重要ですね!!

MS治療薬:インターフェロンβ

  • ベタフェロン皮下注
  • アボネックス皮下注

MS治療薬:グラチラマー

  • コパキソン皮下注

MS治療薬:ナタリズマブ

  • タイサブリ点滴静注

このタイサブリ点滴静注は、「4週間に1回」の点滴静注。BPみたいですね。

MS治療薬:フィンゴリモド

  • イムセラカプセル
  • ジレニアカプセル

MS治療薬:フマル酸ジメチル

  • テクフィデラカプセル

最初の方でも紹介した、この内容ですね。

MS治療薬:シポニモドフマル酸

  • メーゼント錠

2020年9月に発売された新薬ですね。

MS治療薬:オファツムマブ

  • ケシンプタ皮下注

こちらも2021年3月に製造販売を取得した新薬です。

今回はこんな感じー。

なかなか難しい疾患である多発性硬化症。

どんな疾患か、全くわかりません。というのは流石に医療従事者を名乗るものとしては恥ずかしいので、、、

簡単な概要だけでも、把握しておきましょう!

ではではーしぐでしたっ

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