ラスクフロキサシン〈ラスビック錠75mg〉特徴や効能効果・適応

薬剤師のしぐです。

今回は2019.11に薬価収載されたラスクフロキサシン(ラスビック錠)について!

もともと世界各国と比べてセフェム系・マクロライド系・キノロン系を中心に抗生剤の使用量が多すぎると言われている日本。

2013年から2020年までに全抗生物質の使用量を50%まで削減することを国を挙げての目標としています。

もう2020年になりましたが、みなさんの周りではいかがですか??
抗生物質の使用量が減ってるなーって実感ありますか???

そんな中新しく発売されるキノロン系抗生物質のラスビック錠。

効能効果や特徴、薬価までまとめていくよ

キノロン系抗生物質の作用機序について

細菌の増殖にはタンパク質の合成が必要であり、タンパク質合成には遺伝情報をもつDNAという物質が必要不可欠です。

DNAの複製にはDNAジャイレース(DNAの複製に要する負のスーパーコイルをつくる )やトポイソメラーゼ(DNA複製終了後のDNA二本鎖の分離に働く)といった酵素が必要となります。

キノロン系抗生物質は、そのDNA複製に必要なDNAジャイレースやトポイソメラーゼIVという酵素を阻害し殺菌的に抗菌作用をあらわします。

ラスビック錠の有効成分

有効成分はラスクフロキサシン

ニューキノロン系の「〜フロキサシン」ですね。

ラスビック錠の用法用量

通常、成人には、ラスクフロキサシンとして1回75mgを1日1回経口投与する。

ラスクフロキサシン〈ラスビック錠〉の適応、効能効果

咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎に適応があります。

重要な基本的注意

大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。

大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子を有する患者では、必要に応じて画像検査の実施も考慮すること。

ラスビック錠の特徴・作用機序

上記キノロン系の作用機序同様に、DNAの複製に必要なDNAジャイレーストポイソメラーゼという酵素の働きを阻害し、抗菌効果を示します。

他の、これまでのキノロン系抗生物質との違いは、既存のキノロン系抗生物質がどちらか片方のキノロン標的酵素をより強く阻害するの対し、ラスビック錠は両方のキノロン標的酵素を同程度に阻害するという特徴があります。

この特徴から、これまでのキノロン系抗生物質と比較して耐性菌が発生しにくいと言われています。

ラスビック錠の特徴・既存キノロン系抗生物質との違い

大きな違いは、他キノロン系抗生物質にはある泌尿器系感染症の適応がないこと。

ラスビック錠は比較的、肺への移行性が高いと言われています。

クラビット錠などは、結構膀胱炎に使用されるイメージないですか??

そちらではなく、呼吸器系が得意ってことですね。

なので使用される診療科も限られてくるかも。

耳鼻科や呼吸器科、内科って感じで。

ラスビック錠の副作用

主な副作用

下痢、好酸球数増加各7例(1.3%)、ALT上昇5例(0.9%)等。

重大な副作用

白血球減少症、間質性肺炎、ショック、アナフィラキシー、QT延長、心室頻拍、低血糖、偽膜性大腸炎、アキレス腱炎、腱断裂等。

ちなみに、頻度不明がほとんど。

ラスクフロキサシン〈ラスビック錠〉の薬価

  • ラスビック錠75mg:361.4円/錠

PTP包装:50錠(10錠×5)のみなので、1箱で18,070円ですね。

思ったほど高くないですよね。1日1回1錠だし。

ラスビック錠の名称の由来

Lascufloxacin(ラスクフロキサシン)

Visionary and Conceptual quinolone(新しいビジョンとコンセプトをもったキノロン系)

この頭文字で、「Lasvic」ラスビック。

おいおいラスビック錠。

ステキなネーミング!!

ラスクフロキサシンス〈ラスビック錠〉についてのまとめ

  • 細菌のDNA合成に必要な2種類の酵素(DNAジャイレース・トポイソメラーゼⅣ)を同程度阻害する。
  • 上記理由により、耐性菌ができにくい!!
  • キノロン系だけど、得意なのは耳鼻・呼吸器系。泌尿器系は苦手で、適応もないよ。

こんな感じですかね。

なんか、思ったほど特徴ないですね、こーやって書くと。

これからいろいろ使われて、いろんな利点が出てくるのかな。

ではではーしぐでしたっ

コメント

  1. […] ラスクフロキサシン〈ラスビック錠75mg〉特徴や効能効果・適応薬剤師のしぐです。今回は2019.11に薬価収載されたラスクフロキサシン(ラスビック錠)について!もと…shg11710blog.com2021.05 […]

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