ピロリ除菌について!概要やら最新の治療法、三次除菌の処方例まとめ

感染症

薬剤師のしぐです。

今回はピロリ菌の除菌について!

年に1回の健康診断で胃カメラをする機会もあるかと思いますので、それで見つかるかたもいたりいなかったりのこのピロリ菌。

40〜60代の方の感染が多いようです。まさに、団塊の世代??なのかな

結構いろんな薬局で遭遇するピロリ除菌薬なので、概要から簡単にまとめてみます。

ピロリ菌とは

ピロリ菌=ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)は1982年に発見された胃の粘膜表面でも生息可能な菌です。ピロリ菌自体が「ウレアーゼ」と呼ばれる酵素を分泌し、胃粘膜の尿素からアンモニアを産生することで強力な胃酸を中和して胃内に定着することができます。

この分泌される酵素と、生成されるアンモニア胃粘膜傷害を引き起こすと言われています。
また、ピロリ菌により胃粘膜にあるガストリン受容体が刺激され胃酸分泌が促進されること、菌が持っている蛋白分解酵素が胃の粘膜を分解し防御機能を低下させることも胃粘膜傷害の要因の1つとして考えられています。

ちなみにこのピロリ菌を発見した人。自分でピロリ菌を経口摂取し、1週間で胃炎が起こることを証明したんだとか。このピロリ菌の発見や、胃粘膜障害への関連性の研究等の業績を称えられて数年後にノーベル賞を受賞してるんだって!!

ピロリ菌の感染経路

いくつか説はあるようですが、確実なのは口からの感染がほとんどであること。
有力な感染経路は2つ。

①上下水道が普及していなかった世代等の井戸水摂取

②ピロリ菌保有者から、子どもへの食べ物・唾液を介した「口ー口」感染。特に、母子間の経口感染が有力視されてるみたいですね。

重要なのは、ピロリ菌保有者の口腔内にもピロリ菌がいるということ!
大人は自己免疫が確立しているので感染しにくいので、小児期の感染が多いんだとか。

上記の通り、上下水道の整備されてない発展途上国なんかで感染率が高い傾向にあるようです。先進国の中で日本は際立つほどの感染率の高さで、総人口の半数くらい感染している(5000万人〜6000万人前後)と考えていられるようです。

ピロリ菌の診断・検査

内視鏡検査による方法もいくつかありますが、最近では簡易的で患者負担も少ない「尿素呼気試験」「血清抗体測定」「便中抗原測定」が主に行われます

除菌薬服用後の除菌判定には4週間を必要とし、その間H2ブロッカーなどを服用することがあります。PPIによる静菌効果により、偽陰性の検査結果が出ることがあるのでこの期間にPPIを服用することはオススメできないです。

ピロリ菌保有によるリスク

萎縮性胃炎や胃・十二指腸潰瘍といった上部消化管疾患、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、胃がんやディスペプシア症状などの原因になりうると言われています。

「胃炎→萎縮性胃炎→腸上皮化生→胃がん」のプロセスは100年以上前から言われていたみたいですね。

萎縮性胃炎患者で90%以上、胃潰瘍で90%、十二指腸潰瘍で95%、胃がん患者の95%でピロリ菌が見つかるといわれています。間違ってはいけないのが、ピロリ菌保有者の90%以上で〜というわけではないこと。ここ勘違いしてる方がけっこういますので、注意してください。

世界保健機関(WHO)も、ピロリ菌は発がん物質の1つと指定しています。

ピロリ菌除菌することのメリットデメリット

●メリット
日本でのピロリ菌除菌を徹底すると、胃がんの発生を1/3に抑制できるとの報告があります。
がん患者数では第2位、部位別死因では第3位の胃がんの発生を1/3に抑制できればすごいメリットですよね!

あと胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発予防にもなります。
子どもや孫への感染拡大予防にもなりますよねーーーー。

●デメリット
あんまり思いつきません、、、。あえていうなら病院行って検査して、お薬もらって、除菌できてるかまた検査して〜ってお金と時間がかかることかな?

ピロリ一次除菌

基本的にはコチラ

プロトンポンプインヒビター(PPI)アモキシシリンクラリスロマイシン

3剤併用で行います。数年前までは、除菌率80%はあったみたいですが、耐性菌の出現でいまでは65〜70%と言われています。

PPIの種類でも除菌率が大きく変化して、1番新しいPPIのボノプラザンを用いることで除菌率は90%になるとも言われています。

ボノプラザン関連の内容がコチラ

ピロリ除菌用にパックされた医薬品も販売されていて、一次除菌では

●ボノサップ400・800:タケキャブ錠+アモリンカプセル+クラリス錠

●ラベキュア400・800:パリエット錠+サワシリン錠+クラリス錠

があります。あえて商品名にしてみたんですが、ボノサップは武田薬品が販売していてタケキャブ錠の成分がボノプラザンなので除菌率は高いです。

ラベキュアは第一三共が販売していて抗生物質のアモキシシリンがカプセルじゃなくて錠剤なので比較的飲みやすくなってます。

お酒、喫煙で除菌率が数%下がると言われてるので、除菌薬を服用する1週間は禁酒禁煙するように指導が必要です。

患者さんから新年会や忘年会といった飲み会があるんですけど〜と言われたら、その飲み会が終わってから服用開始するように説明してあげてください。

それぞれ400と800の規格がありますが、これはクラリスロマイシン〈クラリス錠〉の量が400mg/日か800mg/日かという点が違うだけ。

除菌率にそこまで差があるわけでもないようなので、基本的には400の方が処方されることが多いようです。

どうしても禁煙できない方やお酒も控えられない方に、上記理由から800を処方することがあるみたいですね。

ピロリ二次除菌

プロトンポンプインヒビター(PPI)アモキシシリンメトロニダゾール

3剤併用で行います。

パックされた医薬品では、

●ボノピオン:タケキャブ錠+アモリンカプセル+フラジール錠

●ラベファイン:パリエット錠+サワシリン錠+フラジール錠

の2種類があります。

どちらにもはいってるフラジール錠(メトロニダゾール)は、相互作用が起こるためお酒を避ける必要があります

アルコールの代謝を阻害して、二日酔いの症状(吐き気や頭痛、腹痛や動悸など)を強く発現させてしまうからです。除菌率も下がっちゃうし、ピロリ除菌の時は禁酒禁煙を守りましょう。

ちなみに保険適応で治療できるのは二次除菌まで。

三次除菌は自費でとなります。

ピロリ三次除菌

三次除菌は一般のクリニックではやってないこともあります。

自己責任で、ということなのか、何かあったときのためになのか、「二次除菌に失敗したら近くにある大学病院で三次除菌をしてもらって」と紹介状を書いてくれるクリニックもあれば、「二次除菌でも失敗するならもう諦めましょう」ってクリニックもあるみたいですよー。

そして三次除菌の組合せもその医療機関で違ったりします。
今回は一般的に使われてる組合せを紹介します。

●PPI+アモキシシリン+レボフロキサシン(クラビット)

●PPI+アモキシシリン+シタフロキサシン(グレースビット)

●PPI+アモキシシリンのみ ※通常1日2回のところ、同高用量のまま1日4回服用

ピロリ除菌薬の副作用

どの除菌薬も高用量の抗生剤を使用するので、腹痛や下痢、味覚異常や体重増加などの副作用が報告されています。この副作用も1週間服薬後すぐに改善すると言われてるので、多少腹痛や下痢があるようでも可能な限り除菌薬の服薬を守ってもらうことが大切です。

その他

●ピロリ除菌にPPIを服用する理由は、
「酸環境下ではアモキシシリン、クラリスロマイシンなどの抗菌薬の効果が大幅に減弱するため、強力に酸分泌を抑制することで除菌率を向上させる」からです。

●LG21乳酸菌入りヨーグルトを除菌薬服用前3週間+除菌療法中1週間の計4週間摂取したところ、除菌成功率が10%上乗せされたという報告があります。副作用の吐き気や腹痛、下痢といった症状も緩和させることができるので、まさに一石二鳥な効果が得られるみたいです。

こんな感じですかねーーー。

どの薬も通常用量より高用量で処方されるので、最初は「おっ」と思います。
大事なのは、保険適応でのピロリ除菌は人生のうちにそう何回もできないよ!
ってことですね。除菌の機会があったらその機会を逃さずに、しっかり除菌しましょう。

ではではーー。しぐでしたっ

コメント

  1. […] […]

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