抗血小板薬の概要等まとめ!処方が稀なチカグレロル〈ブリリンタ錠〉を知ってますか?

心血管疾患

薬剤師のしぐです

以前、抗血小板薬と抗凝固薬の違いについてをまとめました。
https://shg11710blog.com/抗血小板薬と抗凝固薬の違いや使い分け/

最近は糖尿病の新らしいインスリン製剤が多くて、そっちについて書くことが多かったのですが、抗血小板薬についてもまとめることができそうです。

ついに心疾患系についてもまとめて行きますよーーーー。ではでは。

抗血小板薬とは

まずは、おさらいです。

代表的な薬剤でいうと、バイアスピリンやプラビックス、エフィエントやプレタールあたりです。各薬剤の特徴だったり使い分けについても書いていきますねー。

この分類の薬剤はいろんな機序で「血小板の活性化を抑制」します。
血液の流れが早い動脈ではこの血小板による一次止血が主体の血栓となり、白色血栓と呼ばれます。この白色血栓が関与する塞栓症を予防するために抗血小板薬を服用するというわけですね。

アテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞といった非心原性脳梗塞、心筋梗塞や慢性動脈閉塞症などなどがこの白色血栓に分類されます。

この分類の薬剤の中でおそらく1番よくみるのがバイアスピリンかと思います。最近だとプラビックスやエフィエントとの併用が多いかなー。抗血小板剤二剤併用療法(Dual antiplatelet therapy: DAPT)ですね。

こうなると、「経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行患者の血栓予防」での服用がほとんどです。

ガイドラインではDAPTの期間は最低でも12ヶ月となっています。1年を目安に1剤に切り替えることが多いように感じます。

1剤に切り替える際も、ガイドライン上だとバイアスピリン単剤ってのが基本なんですけど、適応通りにいかないのがこの医療業界。教科書と現場は違うってやつですかね〜。

添付文書では原則バイアスピリンとの併用になってるんですけど、1剤にする場合でもこのクロピドグレルだったりプラスグレル単剤のほうがバイアスピリン単剤よりも予後がいいって研究結果もあるみたいで、、、

「ガイドライン上ではバイアスピリン単剤への切り替えが一般的かと思いますが〜」なんて疑義照会できるわけもなく。

処方医の意図、最新のエビデンスを考慮した上での判断が求められる今日この頃です。

以降は各薬剤の特徴やらなんやらです。
とりあえず今回は、バイアスピリン・チクロピジン・クロピドグレル・プラスグレル・チカグレロルに限定して書いていくよ。

低用量アスピリン腸溶錠(バイアスピリン)

COX-1阻害作用によりTXA2の合成を阻害し、血小板凝集抑制作用を示す。

安価にもかかわらず、優れた抗血小板作用を持つ。心筋梗塞や非心原性脳梗塞の再発予防で最も推奨度が高い薬の1つです。

PCI施工後のステント留置による血栓予防での処方が多いかと思います。

このPCI施工後の血栓予防に関しては、現在ではクロピドグレルかプラスグレルとの併用が一般的ですね。まさに抗血小板剤二剤併用療法(Dual antiplatelet therapy: DAPT)ですね。

余談ですが、数ヶ月前に集計したウチの薬局での「1包化頻度ランキング」でめでたく1位になった医薬品が、まさにこのバイアスピリンでしたーーー!パチパチ。

バラ500錠は常時在庫されております。

あ、ちなみにこの「低用量アスピリン」と「ランソプラゾール」の配合錠であるタケルダ配合錠もありますよね。まとめてあるので、詳細はこちら↓

チクロピジン(パナルジン錠)

チエノピリジン系の抗血小板薬です。

血小板上のP2Y12ADP受容体を非可逆的に阻害することで血小板内cAMP産出を高め、血小板凝集能・放出能を抑制する。

重大な副作用の報告が多く、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)や無顆粒球症、重篤な肝障害等が投与開始2ヶ月以内に発現することがあります。なので投与開始2ヶ月間は2週間ごとの検査が必要とされています。

死亡例も出ていて、緊急安全性情報(イエローレター)が2度も出されたことがあるという少しヒヤッとするお薬。

と言っても、クロピドグレルやプラスグレルが競合している現在ではほとんど新規処方されることはないですよね。うちの薬局でもほんとに数名。ずーーーっと続けてるからという理由で、継続してる患者さんがいます。

クロピドグレル(プラビックス錠)

チエノピリジン系の抗血小板薬です。

チクロピジンと同様の基本骨格を持ち、同等の抗血栓効果を持ちつつ、副作用を軽減できる様に設計された医薬品
代謝経路の関係で、個人差が出てしまうのが欠点でした。

非心原性脳梗塞の再発予防目的で使われる医薬品として一世を風靡しました。

なんなら全世界での医薬品売上ランキングでの常連さんでしたよね。

国内での医薬品売上ランキングでは1位を獲得したことがあるほどです。

と、いう栄光も今は昔。GEの発売、なんならAGにシフト変更したこともあって?か、今やプラビックスの売上は最盛期の2割程度しかないんだとか。

こういったご時世ですからね、、、。どこの業界も大変ですよね。

作用機序はチクロピジンと同様で、血小板上のP2Y12ADP受容体を非可逆的に阻害することで血小板内cAMP産出を高め、血小板凝集能・放出能を抑制する。

プラスグレル(エフィエント錠)

チエノピリジン系の抗血小板薬です。

クロピドグレル(プラビックス)と比較して、個人差がないように設計された医薬品。

チクロピジン(パナルジン)でみられる重篤な副作用がなく、クロピドグレル(プラビックス)に比べ効果発現が早いとされ、早期からの血栓予防効果が期待できます。海外での臨床試験ではクロピドグレルを上回る有効性が示されてるみたい。

チクロピジンの副作用を軽減させたのがクロピドグレルで、クロピドグレルの個人差が出ちゃうところを改善したのがプラスグレルってことですねー。

チカグレロル(ブリリンタ錠)

チカグレロル(ブリリンタ錠)作用機序

既存のチエノピリジン系抗血小板薬とは異なる作用機序で、血小板のP2Y12ADP受容体を直接的かつ可逆的に阻害することで効果を発揮する経口抗血小板薬。
作用する受容体は変わらないけど、そこへのアプローチのしかたが違うってことですね。

チカグレロル(ブリリンタ錠)の用法用量

チエノピリジン系の薬剤はプロドラッグであり,肝臓で代謝されてから活性体となり作用を発現するのに対し,チカグレロルは,「そのものが活性を持つ」。
このため,抗血小板作用の発現は早く,また薬剤中止後も速やかに作用が切れることが期待されています。その効果発現の特徴の反面、1日2回の投与が必要です。

世界的にはクロピドグレル(プラビックス)を上回る有効性が認められていますが、日本人を対象とした試験では有効性と安全性のいずれも劣る傾向だったそうです。

日本人ではクロピドグレルの有効性・安全性を上回ることができなかったこのチカグレル(ブリリンタ)。結果として、効能効果と使用上の注意に以下の文言がついてます。

ただし、アスピリンを含む抗血小板剤2剤併用療法が適切である場合で、かつ、アスピリンと併用する他の抗血小板剤の投与が困難な場合に限る

要するに、チクロピジンもクロピドグレルもプラスグレルも投与できない患者さんにだけ使えるのが、このチカグレロルことブリリンタ錠というわけですねーーー。

・・・・使える患者さんの幅狭すぎませんか!?

ってなわけで、ほぼほぼ調剤薬局ではみることのないお薬となってしまったのです。

メーカーさんに聞いた時も、全国でもホントにわずか。
1つの県に10〜50人いるかいないかとか。

だがしかし!ウチの薬局にはまさかの1名、服用中の患者さんがいらっしゃいます。

なかなかの処方箋受付枚数のウチなので、この患者さんの投薬にあたったことがなく詳細は聞けてないのですが、、、。結構気にはしてます。

最後にチカグレロルの薬価

薬価もそんなに高くないんですよね。60mg錠が100.5円。90mg錠が142.3円。

抗血小板薬①のまとめ

個人的な独断と偏見がスゴク入ってしまっているのですが、、、今回のまとめ!

  • 安価で安定の低用量アスピリン
  • P2Y12ADP受容体阻害薬の先駆けチクロピジンだが、重大な副作用多数。
  • 重大な副作用を改善した改良版クロピドグレルだが、個人差が出てしまう。
  • さらに個人差が出ることすら改善した改良版がプラスグレル
  • 世界での有効性は証明されているが、日本では不遇のチカグレロル

今回はこんな感じですねーーー。

血液サラサラのお薬〜でまとめがちなこの辺のお薬。
意外と順当な進化?改良??をして、今に至るんですよね〜。

とりあえず今回は自分がよくみるPCI施工後の血栓予防で使われることが多いお薬の特集をしてみました。

ではではーしぐでしたっ

ホントに最近すごく読み込んでるレシピプラスさん。

中でもこの抗凝固薬まとめはオススメです。各薬剤の違いや特徴がしっかりまとめられていて、すんなり理解できます。

Amazonさんでの評価もすごく高く、新人薬剤師さんからベテラン薬剤師さんまで読んで損はない1冊だと思います。

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