血友病について。勉強会で学んだ疾患の概要から診断、治療の流れまでまとめたよ。

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おはようございます。しぐです〜

先日、血友病の勉強会に行ってきました。
たぶん、薬局で勤務されてる方はなじみがない疾患かと思います。


なぜなら、血友病に適応のある内服薬がないからです!

治療するためには注射で必要な物質を補充するしかないんですねー。

そして、この勉強会でのキーワードは「ヘムライブラ」です。
すごく内容がよく、ボリュームのある勉強会だったので2回に分けて書き込みます!

ちなみに、ヘムライブラの登場は2回目となります。では。

概要

血友病とは、血液を固める「血液凝固因子」というタンパクが生まれつき欠乏・低下している病気です。血液凝固因子とは、けがなどにより血管壁が破れて出血を来たした際、止血する役割を担う物質です。

血を止めるには、血小板、血管、血液凝固因子が必要です。血液凝固因子は12種類あり、それぞれ番号がつけられています。

その12種が次々と反応し、最終的にフィブリンという糊を作り、出血を止めようとするのですが、血友病の患者さんは、そのうちの一部が遺伝的に不足しているため反応が途切れ、出血が止まりにくくなります。

血友病では、遺伝子の異常により、体内で必要な血液凝固因子をつくることができ ないため、出血しやすかったり、また止血が困難になったりするという症状がみられます。 

血友病には2種類あります。ひとつは凝固因子の8番目(第Ⅷ因子)の遺伝子の異常による血友病A、もうひとつは9番目(第Ⅸ因子)の遺伝子の異常による血友病Bです。

先天性血液凝固第Ⅷ因子障害(血友病A)と先天性血液凝固第Ⅸ因子障害(血友病B)とも言います。第Ⅷ因子は補助因子と言われ、凝固反応を10万倍にもするほど影響がある因子です。

血友病は男性に多い病気として知られていますが、まれに女性にもみられることがあります。

2018年度の「血液凝固因子異常症全国調査」によると、日本国内では血友病Aが5301人、血友病Bが1156人確認されています。

血友病の原因である遺伝子は、わたしたちの遺伝子(DNA)をおさめている46本の染色体のうち、X染色体とよばれるものに存在しています。

染色体は通常、44本の常染色体と性別によって異なるX連鎖染色体2本であり、女性ではX染色体が2つ、男性ではX染色体が1つあります。

血友病はこのX染色体の遺伝子がまったくない場合に発症する(伴性劣性遺伝)ため、X染色体を1つしか持たない男性がこの病気にかかる可能性が高くなります。

メンデルの法則に従った遺伝の仕方をする。※保因者=キャリアともいう

血友病の父親と、正常な母親との間の子供は、男子の場合は父親の血友病X染色体を受け継がないので正常となる(男子はX染色体を一つしか持たず、必ず母親のX染色体を受け継ぐので保因者ともならない)。

しかし、子供が女子の場合は父親のX染色体を一つ受け継ぐため必ず保因者となる。保因者の母親と正常な父親との間の子供はメンデルの法則に従い正常男子が1/4、血友病男子が1/4、正常女子が1/4、保因者女子が1/4という確率で誕生する。

血友病の父親と保因者の母親との間の子供は、正常な男子が1/4、血友病の男子が1/4、保因者の女子が1/4、血友病の女子が1/4という確率で誕生する。

血友病の母親と正常な父親との間の子供は、男子は必ず血友病になり、女子は必ず保因者になる。
血友病の父親と血友病の母親との間の子供は、男子女子ともに必ず血友病になる。

しかし、遺伝子の突然変異により血友病を発症したと推測される例も多く、血友病者の約3割には家族歴が見られません。明確な割合は不明ですが、血友病の発症には遺伝と突然変異という二つのパターンがあると考えられています。

凝固因子活性が、1%未満→重症、1~5%→中等の症状と言われてます。

症状

血友病では、出血しやすかったり止血までに時間がかかったりします。重症患者では、1回出血すると3~4日止まらなくなる。

一般的に凝固系に異常があるとからだの深部で出血しやすくなるため、血友病の患者さんは、表面の出血というよりも筋肉のなかや関節のなかで出血がよく起こります。

さらに、青あざができやすい、歯磨きをすると出血しやすい、鼻血がでやすいなどの症状もみられることがあります。

女性に発現する場合、男性血友病に見られる関節内出血や筋肉内出血に加えて、月経時や出産時に困難があります。

生後6ヶ月頃から、動き回るようになるため皮下出血等見られるようになります。

血友病の出血は、外傷のほか、皮下、手足の関節や筋肉、歯肉、鼻、頭蓋内などに起きますが、年齢によって出血しやすい場所部位が異なります。

たとえば、乳幼児期は外傷出血や皮下出血が、学齢期には鼻出血や歯肉出血が多く見られます。でも、ひとつひとつ丁寧に止血の対処を行なえば問題はありません。

小さな切り傷程度で慌てる必要はないのです。けれども、関節や筋肉内の出血、頭蓋内出血については注意が必要です。

関節や筋肉内の出血は、治療が不充分だと血友病性関節症などの機能障害を引き起しますし、頭蓋内出血は生命の危機に直結します。

様々な出血は、身体が完成する17歳ごろまでに多く、その間に適切な治療によって機能障害を起こしていなければ、しだいに「出血しにくくなる」ので、ほぼ健常者と同じ生活を送ることができます。

したがって、思春期までの時期をいかに健康に過ごすかが問題です。この時期は学齢期と重なるので、学校側の理解と適切な対応が重要となります。

血友病とは、「出血が止まりにくい」のであり、「自然に出血しやすい」わけではありません。つまり、他の子がして出血が起こるような危ないことは危ない、他の子がやって大丈夫なことは大丈夫 というわけです。

血尿や消化管(口腔内)出血も見られます。多くの場合は、打撲や四肢の使い過ぎなどが出血の原因となります。また、健常者なら自然に止まるわずかな出血でも、大きな血腫になってしまう場合もあります。

血友病に合併しやすいものが関節の症状で、関節の痛みや変形、関節が固くなるといった「慢性血友病性関節症」がみられることがあります。

検査値としては、PTTが延長するが,PTおよび血小板数は正常である。第VIII因子および第IX因子の測定により,血友病の型および重症度が判別される

1回目の内容はこんな感じです。
いやー、知らないことがたっくさんありました。
メンデルの法則なんて、高校生の時以来聞いたかもってくらいですねー。

2回目では診断と治療について!書いていきますね。

ではではーーっ。しぐでした!

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