
こんばんは、薬剤師のしぐです。
第一三共エスファは2026年10月16日、モンテルカストチュアブル錠5mg「DSEP」とモンテルカスト細粒4mg「DSEP」の対象包装について、限定出荷を解除したと案内しました。


小児の喘息治療で継続処方される薬だけに、調達先の選択肢が戻ることは薬局にとっても助かるニュースです。
ただし、今回の案内では、メーカーの対応状況が「通常出荷」となる一方、出荷量の区分は「出荷量減少」のままです。
「限定出荷解除=供給量も元どおり」と受け止めず、対象包装と実際の入荷状況を確認しておきたい内容です。
モンテルカスト「DSEP」の限定出荷解除はいつから?
限定出荷の解除日は、2026年10月16日です。
対象となるモンテルカスト製剤は、次の2製品・3包装です。
| 対象製品 | 包装 | 統一商品コード |
|---|---|---|
| モンテルカストチュアブル錠5mg「DSEP」 | PTP100錠 | 081186228 |
| モンテルカスト細粒4mg「DSEP」 | 14包 | 081186273 |
| モンテルカスト細粒4mg「DSEP」 | 140包 | 081186303 |
今回の通知で示された供給状況は、いずれも以下の組み合わせです。
- 出荷量:B「出荷量減少」
- 製造販売業者の対応状況:①「通常出荷」
製品名だけでなく、包装単位まで確認して発注することが大切です。

「通常出荷」なのに「出荷量減少」なのはなぜ?
一見すると矛盾しているようですが、この2つは異なる内容を示しています。
「出荷量」は、比較対象となる期間や予定量に対して、どの程度の供給量があるかを示す区分です。
一方、「通常出荷」「限定出荷」は、メーカーが受注にどのように対応しているかを示す区分です。
| 区分 | 今回の表示 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 出荷量の状況 | 出荷量減少 | 比較対象量に対して、出荷可能量が少ない |
| 受注への対応状況 | 通常出荷 | メーカーとして、すべての受注に対応できている |
通知に添付された用語の定義では、「出荷量減少」は比較対象期間の出荷量または市場予測による予定出荷量と比べ、概ね90%未満の出荷状況です。なお、この定義でいう出荷量は、自社在庫量を含む「出荷可能量」とされています。
つまり、今回の通常出荷への変更は、供給量が以前の水準に戻ったことまで意味するものではありません。
また、メーカーの出荷区分と、個々の薬局への入荷可否・納期は別に確認する必要があります。第一三共エスファも、詳細は取引卸へ問い合わせるよう案内しています。
そもそも、モンテルカストとは?
モンテルカストは、ロイコトリエン受容体拮抗薬です。
気道の収縮や炎症などに関わるロイコトリエンの作用を抑えることで、喘息の症状をコントロールするために使われます。
今回の対象であるチュアブル錠5mgと細粒4mgは、小児の気管支喘息に用いる製剤です。
モンテルカストという成分名からアレルギー性鼻炎を思い浮かべることもありますが、今回の小児用2製剤の効能・効果は「気管支喘息」です。成分が同じでも、製剤ごとの適応を確認する必要があります。
発作が起きたときに、すぐ止める薬ではない
モンテルカストは、すでに起こっている喘息発作を速やかに改善するための薬ではありません。
症状が落ち着いている時期も、処方されたとおりに続けることが基本です。
供給への不安があっても、自己判断で服用回数を減らしたり、症状のある日だけ飲んだりせず、残薬が少なくなる前に薬局へ相談してもらうことが大切です。

チュアブル錠5mgと細粒4mgの違い
同じモンテルカストでも、対象年齢や服用方法が異なります。
| 項目 | チュアブル錠5mg | 細粒4mg |
|---|---|---|
| 効能・効果 | 気管支喘息 | 気管支喘息 |
| 通常の対象 | 6歳以上の小児 | 1歳以上6歳未満の小児 |
| 通常の服用 | 1日1回、就寝前に5mg | 1日1回、就寝前に4mg・1包 |
| 服用時の特徴 | 口の中で溶かす、またはかんで服用できる | 口に直接入れるほか、指定された方法で食物などに混ぜられる |
年齢が変わる時期や、飲みにくさの相談がある場合も、保護者の判断で剤形や量を変えるのではなく、処方内容を確認します。
同じ5mgでも、普通錠・OD錠にそのまま置き換えない
薬局実務で押さえておきたいのが、チュアブル錠5mgと普通錠・OD錠5mgの違いです。
電子添文では、チュアブル錠はフィルムコーティング錠およびOD錠と生物学的に同等ではないため、それぞれ相互に代用しないよう示されています。
「同じ成分で5mgだから」という理由で、別の剤形へ単純に置き換えることはできません。
入荷が難しい場合も、まずは同じ剤形・規格の製品について調達可能性を確認し、処方変更が必要であれば処方医へ相談します。

細粒は、開封後の扱いにも注意
モンテルカスト細粒は光に不安定なため、服用の準備ができるまで開封せず、開封後は直ちに、15分以内に服用することとされています。
食物などに混ぜた場合も、作り置きは避けます。また、再分包しないことも電子添文に記載されています。
供給対応で銘柄を変更する場面でも、「いつもの薬と同じように飲めるか」だけでなく、保管や開封後の扱いまで確認して説明したいところです。

薬局では、何を確認しておきたい?
1.対象の剤形・規格・包装を確認する
今回の解除対象は、チュアブル錠5mgのPTP100錠と、細粒4mgの14包・140包です。
普通錠やOD錠、他社のモンテルカスト製剤まで、同じ供給状況になったわけではありません。
発注画面や薬局内の供給情報メモも、製品・包装単位で更新しておきます。
2.卸へ入荷可否と納期を確認する
通常出荷への変更を確認しても、患者さんに「次回から必ず用意できます」と案内する前に、卸の在庫と納期を確認します。
継続患者数、残薬、次回来局予定を踏まえて、必要な数量を見積もることが実務上のポイントです。
3.銘柄を戻すかは、継続性も含めて判断する
限定出荷中に別メーカーへ変更していた場合、解除を機に元の銘柄へ戻すか検討する場面もあります。
その際は、供給状況に加えて、子どもが問題なく服用できているか、保護者が変更をどう受け止めるかも確認したいところです。
特に小児では、味や口当たり、外観の変化が服薬のしやすさに影響することがあります。
通常出荷への変更は調達の選択肢が増える情報として受け止め、治療を途切れさせないことを優先して判断します。

同じ通知のボリコナゾールとは、今後の見通しが異なる
今回の通知には、ボリコナゾール錠50mg「DSEP」のPTP50錠も含まれています。
通知全体では3製品・4包装ですが、モンテルカストに限ると2製品・3包装です。
さらに、ボリコナゾール錠50mg「DSEP」のPTP50錠は、限定出荷解除と同時に、2026年10月末をもって供給停止・欠品となる見込みも改めて案内されています。
この供給停止見込みは、モンテルカストの対象包装について示されたものではありません。同じ通知に掲載されていても、製品ごとの今後の見通しは分けて確認する必要があります。

まとめ
モンテルカストチュアブル錠5mg「DSEP」のPTP100錠、細粒4mg「DSEP」の14包・140包は、2026年10月16日から限定出荷が解除されました。
ただし、出荷量の区分は「出荷量減少」のままです。
薬局では、解除の情報を発注や在庫管理に反映するとともに、実際の入荷可否・納期を卸へ確認しておきたいところです。
小児の継続治療に使う薬だからこそ、供給情報を「解除された」で終わらせず、次回の処方を無理なく受けられる準備につなげることが大切です。
※供給状況は2026年10月16日公表のメーカー通知に基づきます。その後の変更や個別の納期は、メーカー・取引卸へご確認ください。
よくある質問
Q.モンテルカスト「DSEP」は、すべて通常出荷になったのですか?
今回の通知で確認できる対象は、チュアブル錠5mgのPTP100錠と、細粒4mgの14包・140包です。他の剤形・規格・包装や他社製品へ、一律に当てはめることはできません。
Q.通常出荷になれば、薬局へすぐ入荷しますか?
個々の薬局への入荷可否や納期は、卸の在庫や流通状況などを含めて確認する必要があります。メーカーは詳細を取引卸へ問い合わせるよう案内しています。
Q.出荷量減少なのに、通常出荷になることはありますか?
あります。出荷量と受注への対応状況は、別々の区分です。供給量が比較対象より少なくても、メーカーとしてすべての受注に対応できていれば、通常出荷と表示されます。
Q.チュアブル錠5mgがなければ、OD錠5mgで代用できますか?
そのまま代用することはできません。電子添文では、チュアブル錠と普通錠・OD錠は生物学的に同等ではなく、相互に代用しないよう示されています。薬局・処方医へ相談してください。
Q.薬が足りなくなりそうなときは、飲む回数を減らしてよいですか?
自己判断で減らさず、早めに薬局へ相談してください。モンテルカストは喘息の症状を継続的にコントロールするための薬であり、症状が落ち着いている場合も処方どおりの服用が基本です。


コメント