OTC類似薬で処方箋が変わる!「○・-」欄新設へ|2027年3月から薬局で何が変わる?

こんにちは、薬剤師のしぐです。
OTC類似薬をめぐる動き。
これは薬局にとって、かなり大きな変更になりそうです。
2026年9月9日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)で、厚生労働省からOTC類似薬の「一部保険外療養」導入に伴う、新しい処方箋様式が示されました。
その中で特に気になったのが、
処方箋に「一部保険外療養」という新しい欄が追加される
ということ。
対象となるOTC類似薬が処方された場合、
別途負担の対象 →「○」
別途負担の対象外 →「-」
を処方箋に記載する仕組みが示されています。
しかも、今回の制度は単純に
「OTCで買える薬だから保険適用外」
という話ではありません。
対象は現時点で77成分・1,042品目。
患者さんの状態などによっては、別途負担の対象外になるケースもあります。
薬局ではかなり質問を受けそうな制度なので、現時点で分かっている内容を整理してみます。

そもそも「OTC類似薬」とは?
まず、ここから。
OTCとは、処方箋なしでドラッグストアや薬局などで購入できる一般用医薬品などのこと。
一方、医療用医薬品の中にも、
「同じような成分のOTC医薬品が販売されている」
ものがあります。
今回の制度では、OTC医薬品との代替性が特に高い医療用医薬品について、薬剤費の一部を保険給付の対象外とする「一部保険外療養」が創設されます。
大事なのは、
OTC類似薬がすべて保険適用外になるわけではない
ということ。
ここは患者さんへの説明でも、かなり重要になりそうです。

対象は77成分・1,042品目
2026年9月9日の厚生労働省資料では、対象医薬品は
77成分・1,042品目
とされています。
対象となる主な領域は、
- 鼻炎
- 胃痛・胸やけ
- 便秘
- 解熱・鎮痛
- 風邪症状
- 腰痛・肩こり
- 水虫
- 口内炎
- 皮膚のかゆみ
- 乾燥肌
など。
身近な薬がかなり含まれています。
具体的な成分を見てみると、
ロキソプロフェン、イブプロフェン、酸化マグネシウム、フェキソフェナジン、ロラタジン、カルボシステイン、尿素、白色ワセリン、ラメルテオンなど。
薬局で日常的に目にする薬も少なくありません。
「珍しい薬だけが対象になる制度」
ではなさそうです。
2027年3月から処方箋に「一部保険外療養」欄

そして今回、薬局として特に押さえておきたいのがここ。
厚生労働省は、処方箋様式を改正して
「一部保険外療養」欄
を追加する方針を示しました。
2027年3月以降、対象医薬品を処方する場合、
別途負担の対象
「○」
別途負担の対象外
「-」
を記載します。
つまり薬局側からすると、
「対象薬が入っているか」
だけではなく、
その処方が別途負担の対象なのか、対象外なのか
まで処方箋上で確認することになります。
これまでの処方箋チェックに、新しい確認項目が加わるイメージですね。
なお、厚労省資料では、変更前の処方箋様式を当面使用できる経過措置を設けることも示されています。
患者さんはいくら追加で払うの?
今回の制度で別途負担の対象となった場合、
対象薬剤の薬剤費の4分の1
が「別途の負担」となります。
ここは少しややこしいところ。
単純に、
「今までの自己負担額が25%増える」
という意味ではありません。
厚労省資料では、対象薬剤の価格の4分の1をまず別途負担として計算し、残りの部分について通常の自己負担割合を適用する計算イメージが示されています。
例えば資料では、ある薬を30日処方したケースで、
別途負担:約250円
保険部分の患者自己負担:180円
患者負担総額:430円
という例が示されています。
実際の金額は薬価、用量、日数、自己負担割合などによって変わります。
薬局では、
「なんで今回、この薬だけ高くなったの?」
という質問がかなり増えそうですね。
「○」と「-」が重要になる理由
では、
なぜわざわざ処方箋に「○」「-」を書く必要があるのでしょうか。
今回の制度では、対象成分だからといって、すべての患者さんに一律で別途負担を求めるわけではありません。
医療上の必要性などによって、
別途負担を求めないケース
が設定されます。
例えば検討されているものには、
- がんの治療中や、がん・治療に関連して生じた状態
- 指定難病など
- 入院中
- 一定の検査・処置・手術に伴う使用
- 長期使用が医療上必要なケース
- 生活保護受給者
などがあります。
そのため、
「この薬はOTC類似薬だから追加料金です」
と薬局側だけで単純に判断できる仕組みではありません。
処方医が判断した結果を処方箋上で薬局へ伝える。
そのための「○」「-」というわけですね。
がん患者さんなどへの配慮も重要
個人的に、この制度でかなり重要だと思っているのがここです。
例えば、
がん治療に伴う症状に対して使用される薬。
一見するとOTC類似薬に見えても、実際には治療を続けるうえで必要な支持療法として使われていることがあります。
厚労省の整理では、「がんの治療中又はがんやその治療に関連して生じた状態」に対する対象医薬品の使用は、別途負担の対象外とされています。
また、悪性リンパ腫や白血病なども「がん」として扱う整理が示されています。
薬の名前だけを見て、
「OTCでも売っているから」
と考えるのではなく、
なぜその患者さんに、その薬が必要なのか。
ここを見ることが今まで以上に重要になりそうです。
長期使用なら対象外になる場合も
もうひとつ重要なのが長期使用。
厚労省の整理では、
1年という単位の中で、医師が年間を通じた症状の持続と治療の継続性を確認し、対象医薬品の長期使用等が医療上必要と判断する場合
には、別途負担の対象外となるケースがあります。
例えば慢性的な症状に対して、
「OTCでも買えるから自己負担を増やします」
と一律に処理するわけではないということですね。
ただし、この判断基準はかなり複雑。
制度開始後、
「前回は-だったのに今回は○?」
「同じ薬なのに、あの人は追加負担がないの?」
といった患者さんからの質問が出る可能性もありそうです。
薬局側でも制度をしっかり理解しておく必要があります。
長期収載品の選定療養と重なったらどうなる?

ここ、薬剤師としてかなり気になりました。
現在すでに、
長期収載品の選定療養
があります。
では、
「長期収載品でもあり、OTC類似薬でもある薬」
だったら、
両方の特別料金を払うの?
という疑問が出ますよね。
今回の厚労省資料では、この点も整理されています。
OTC類似薬の一部保険外療養の別途負担の対象となる場合には、
長期収載品の選定療養は対象外
とする考え方が示されました。
つまり、
OTC類似薬の別途負担+長期収載品の選定療養
という二重の追加負担にはしない整理です。
薬局の会計処理を考えても、ここはかなり重要なポイントになりそうです。
薬局では何が変わりそう?
制度開始は2027年3月が想定されています。
まだ少し先ですが、薬局ではかなり準備が必要になりそうです。
特に気になるのが、
①処方箋の確認
「一部保険外療養」欄の○・-を確認。
②対象医薬品の判定
対象77成分・対象品目をレセコン側でどこまで自動判定できるか。
③患者負担の計算
通常の保険自己負担とは別に「別途の負担」が発生。
④患者さんへの説明
「なぜこの薬だけ追加料金があるのか」という説明が必要になる可能性。
⑤長期収載品との関係
選定療養とOTC類似薬制度が重なる薬では、どちらの制度を適用するのか確認。
このあたりですね。
特に、
レセコン・電子処方箋・会計システムがどう対応するのか
は今後かなり重要になってくると思います。
薬局窓口はちょっと大変になりそう
制度の考え方そのものとは別に、
現場目線で気になるのが、
患者さんへの説明。
例えば今まで500円だった薬代が、ある日突然少し高くなったら、
「なんで?」
となりますよね。
しかも、
「保険が使えなくなったんですか?」
「だったら病院に行かずドラッグストアで買った方がいいの?」
「同じ薬なのに、どうして私は追加料金なの?」
など、いろいろな質問が想定されます。
制度開始時には、
単に会計システムを変更するだけではなく、
薬局スタッフ全員が患者さんへ簡潔に説明できる準備
も必要になりそうです。
OTC類似薬=保険適用外、ではない

今回、一番注意したいのはここだと思います。
ニュースの見出しだけを見ると、
「OTC類似薬が保険から外れる」
と受け取ってしまうかもしれません。
でも、今回の仕組みは、
対象医薬品の薬剤費すべてを保険給付から外す制度ではありません。
「一部保険外療養」という新しい仕組みを作り、
対象となる場合には薬剤費の4分の1を別途負担する。
さらに、
医療上の必要性などから別途負担を求めないケースも設定する。
という制度です。
ここは、かなり大事。
患者さんへ説明するときにも、
「OTCで売っている薬だから、もう保険が使えません」
という説明にならないよう注意したいところです。
まとめ|2027年3月、薬局の処方箋確認がまた変わる
今回のポイントをまとめます。
- OTC類似薬の「一部保険外療養」が2027年3月施行予定
- 対象は現時点で77成分・1,042品目
- 対象薬剤の薬剤費の4分の1を別途負担
- 処方箋に「一部保険外療養」欄を新設
- 別途負担の対象なら「○」
- 対象外なら「-」
- がん・難病・長期使用などでは対象外となるケースあり
- 長期収載品の選定療養との二重の追加負担は避ける
- 薬局では処方箋確認・会計・患者説明への影響が大きそう
という内容です。
まだ制度開始まで時間はあります。
ただ、
処方箋そのものが変わる。
これは薬局にとってかなり大きな話。
そして今回の制度は、
対象薬なのか。
患者さんが別途負担の対象なのか。
長期使用なのか。
医療上の必要性があるのか。
など、かなり複雑です。
今後、通知や疑義解釈、レセコン対応など、実務的な情報が続々出てくると思います。
しぐブログでも、
「結局、薬局ではどうすればいいの?」
というところを中心に、引き続き追っていきたいと思います。
FAQ
Q1. OTC類似薬は2027年3月から保険適用外になる?
いいえ。一律に保険適用外になるわけではありません。
対象医薬品について「一部保険外療養」という仕組みが導入され、対象となる場合は薬剤費の4分の1が別途負担となる予定です。
Q2. 対象になる薬は?
2026年9月9日時点の厚生労働省資料では、77成分・1,042品目が対象とされています。
ロキソプロフェン、酸化マグネシウム、フェキソフェナジン、カルボシステイン、尿素、白色ワセリン、ラメルテオンなども含まれています。
Q3. 処方箋の「○」「-」は何を意味する?
対象となるOTC類似薬について、
「○」=別途負担の対象
「-」=別途負担の対象外
という意味です。
Q4. 追加負担はいくら?
対象薬剤の薬剤費の4分の1が「別途の負担」となります。
通常の自己負担とは計算方法が異なるため、「患者負担が単純に25%増える」という意味ではありません。
Q5. 長期収載品の選定療養と両方払うことはある?
今回示された整理では、OTC類似薬の一部保険外療養の別途負担の対象となる場合、長期収載品の選定療養は対象外とされています。


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