ドルド製薬18製品を自主回収|製造記録・試験記録なしで出荷【2026年8月】
こんにちは、薬剤師のしぐです。
また、ちょっと気になる自主回収情報が出てきました。
2026年8月20日、ドルド製薬有限会社が、
「新ドルドミンD」など18製品について、クラスIIの自主回収
を開始しました。
18製品という数も気になるのですが……
今回、個人的にそれ以上に引っかかったのが回収理由です。
PMDAに掲載された内容を見ると、
製造所で製造記録および試験記録が作成されないまま製品が出荷されていた
とのこと。
これは、薬剤師として見るとなかなか衝撃的な内容です。
今回は、
- どの製品が自主回収対象なのか
- なぜ回収になったのか
- クラスIIとはどういう意味なのか
- 健康被害の可能性はあるのか
- 薬局では何を確認しておくべきなのか
このあたりを整理していきます。
ドルド製薬18製品が自主回収へ:対象製品
PMDAでは2026年8月20日付で、ドルド製薬の18製品について医薬品回収・クラスIIとして掲載されています。

対象となっているのはこちら。
- 新ドルドミンD
- 新ドリグロンMスーパー
- 新シンノウグロンM
- ビタセイバー50
- ファイングロンG
- ローヤルベスト
- ローヤルケアV
- サインアーク3000
- 太陽3000
- ビタグッドV 3000
- アルイニンDX 3000
- ドルドミンDX 3000
- ドリグロンMスーパー3000
- ビタエイド3000
- イルケア葛根湯
- 養参宝
- 宝滋元
- 撫滋快3000
対象ロットについては、
使用期限が2026年8月~2029年7月までの製品
とされています。
出荷時期は、
2023年8月~2026年7月
です。
かなり長期間にわたって出荷された製品が対象になっています。
今回の自主回収理由がかなり気になる
今回のポイントは、ここです。
PMDAによると、回収理由は、
製造所において製造記録および試験記録が作成されないまま出荷され、製品の品質を適切に保証することが困難と判断されたため
とされています。
これ……
薬剤師として読むと、結構重たいですよね。
例えば自主回収と聞くと、
- 含量が規格から外れた
- 異物が混入した
- 安定性試験で問題が見つかった
- 表示や包装に誤りがあった
などを想像することが多いと思います。
ところが今回は、
そもそも製造記録・試験記録が作られていなかった
という話。
つまり、
「試験した結果が基準を外れていた」
という話以前に、
品質を保証するために必要な記録が存在していない
ということになります。
ここは、かなり大きなポイントだと思います。

「記録」がなぜそんなに重要なの?
一般の患者さんからすると、
「記録がないだけなら、薬そのものには問題ないんじゃない?」
と思うかもしれません。
でも医薬品の場合はそう簡単ではありません。
医薬品は、
正しく作られたことを確認できて、はじめて“品質が保証された製品”になります。
例えば製造工程では、
- 原料は正しかったのか
- 決められた量を使用したのか
- 定められた工程で製造されたのか
- 製品試験を実施したのか
- 規格に適合していたのか
などを記録として残していきます。
これらが追跡できなければ、
たとえ見た目には問題がなくても、
「この製品は承認された品質を満たしています」
と客観的に証明することができません。
医薬品において、
「記録がない」ということ自体が品質保証上の大きな問題
なんですね。
クラスIIの自主回収とは?
今回の回収区分は、
クラスII
です。
厚生労働省では、医薬品の回収について健康への危険度に応じてクラスI~IIIに分類しています。
- クラスI:重篤な健康被害や死亡につながる可能性がある
- クラスII:一時的または治療可能な健康被害の可能性がある、あるいは重篤な健康被害のおそれはまず考えられない
- クラスIII:健康被害の原因となるとはまず考えられない
という位置づけです。
今回のケースは、
「品質は保証できないため回収するが、重篤な健康被害のおそれは低い」
という判断になります。
現時点で健康被害の報告はなし
ここは患者さん対応でも重要なので、しっかり押さえておきたいところ。
ドルド製薬によると、
製造しているのは内用液剤のみで、重篤な健康被害につながるリスクの高い原薬・原料は使用していないことから、
製品使用による重篤な健康被害のおそれはない
としています。
また、
現時点で健康被害の報告はありません。
なので、
「飲んでしまった!危険なのでは?」
と過度に不安になる必要はなさそうです。
ただし、
品質を適切に保証できない製品であるため自主回収されている
という点は別問題。
該当製品を持っている場合は、メーカーや購入店舗などの案内を確認した方がよいでしょう。

薬局では何を確認しておく?
今回の対象には、第2類医薬品を中心としたOTC製品が含まれています。
調剤専門薬局では、
「聞いたことがない商品が多いな」
という方もいるかもしれません。
ただ、OTCを扱う薬局やドラッグストアでは確認しておいた方がよさそうです。
まずは、
① 対象製品が在庫にないか確認
18製品の中に店舗在庫がないか確認。
特に対象期間が、
使用期限2026年8月~2029年7月
とかなり広いため注意が必要です。
② 該当品は販売せず回収対応へ
対象製品が見つかった場合は販売を止め、
メーカー・卸などからの回収案内に従って対応します。
PMDAによると、ドルド製薬は出荷先を把握しており、速やかに回収するとしています。
③ 患者さんから問い合わせがあったとき
今回特に重要なのがここ。
患者さんから、
「飲んでしまったけど大丈夫?」
と相談された場合、
まず伝えたいのは、
現時点で健康被害の報告はなく、重篤な健康被害のおそれは低いとされている
ということ。
そのうえで、
品質保証上の問題から自主回収されている
という説明をすると分かりやすいと思います。
「危険な薬だったから回収」
と短絡的に説明すると、必要以上に不安を与えてしまいます。
実は医薬部外品7製品も自主回収
今回、医薬品18製品だけではありません。
同じ2026年8月20日付で、
医薬部外品7製品
についてもクラスII自主回収が掲載されています。
対象は、
- ドルドミン3000
- ビーホニD3000
- ビタグッド3000
- アルイニンD3000
- ゼネックD3000
- NewドリグロンMアルファ(ダイオンZ1500)
- NewドルドミンDエース(ビタエイド1500)
です。
こちらも回収理由は同様で、
製造記録および試験記録が作成されないまま出荷されたため
とされています。
つまり、
医薬品18製品+医薬部外品7製品
という、かなり広い範囲に及ぶ回収です。
最近、本当に「自主回収」が多い
最近の薬局現場では、
「また自主回収か……」
と思うこと、本当に多くないでしょうか。
しぐブログでも先日、
ラックビー錠、全ロット自主回収と出荷停止。“当たり前にある薬”が、突然なくなる時代へ
について書きました。
ラックビーの場合は安定性モニタリングの結果から品質上の問題が見つかったケースでした。
今回のドルド製薬とは理由が異なりますが、
改めて感じるのは、
医薬品は「作れば終わり」ではなく、品質が保証され続けて初めて患者さんに届けられるもの
だということ。
そして、そのためには、
製造記録も、
試験記録も、
品質試験も、
全部必要。
当たり前のことかもしれませんが、
その「当たり前」が守られているからこそ、
僕たち薬剤師は目の前の医薬品を安心して患者さんに渡せるんですよね。
今回の自主回収から薬剤師として感じること
今回のニュースを見たとき、
正直、
「製造記録も試験記録も作成されていなかったの?」
という驚きがありました。
もちろん、
現時点では重篤な健康被害のおそれは低く、
健康被害も報告されていません。
そこは冷静に受け止める必要があります。
一方で、
「健康被害が起きていないから問題ない」
という話でもありません。
医薬品は、
品質を保証できる仕組みそのもの
がとても大切。
患者さんには見えない部分ですが、
薬剤師としては、
こうしたニュースから改めて品質保証の重要性を考えさせられます。
ドルド製薬18製品自主回収:まとめ
2026年8月20日、ドルド製薬が18製品の自主回収を開始しました。
今回のポイントをまとめると、
- 新ドルドミンDなど18製品
- クラスII自主回収
- 使用期限2026年8月~2029年7月が対象
- 製造記録・試験記録が作成されないまま出荷
- 品質を適切に保証できないため回収
- 現時点で健康被害の報告なし
- 重篤な健康被害のおそれは低いとされている
- 医薬部外品7製品も同様に自主回収
となっています。
過去には、日医工の75品目自主回収と業務停止命令についてもまとめています。今回の件とあわせて読むと、医薬品の品質保証の重さがより分かりやすいと思います。
薬局で該当製品を扱っている場合は、
一度、OTC在庫を確認しておいた方がよさそうです。
今回の件。
患者さんへの直接的な健康被害という意味では、過度に不安視する必要はありません。
でも、
「医薬品の品質を保証する」
という視点では、
かなり考えさせられるニュースだと思います。
ではではー。
しぐでしたっ。
FAQ
Q1. ドルド製薬の自主回収は危険な成分が入っていたからですか?
いいえ。今回の主な理由は、製造記録および試験記録が作成されないまま出荷され、製品の品質を適切に保証できないためです。危険な成分が確認されたことによる回収ではありません。
Q2. 対象製品をすでに飲んでしまいました。大丈夫ですか?
PMDA掲載情報では、重篤な健康被害のおそれは低いとされ、現時点で健康被害の報告もありません。ただし、心配な症状がある場合は医療機関や薬剤師へ相談してください。
Q3. 自主回収クラスIIとは何ですか?
一時的または治療可能な健康被害につながる可能性がある、または重篤な健康被害のおそれはまず考えられないとされる回収区分です。
Q4. すべてのドルド製薬製品が回収対象ですか?
いいえ。PMDAに掲載されている対象18製品、および別途掲載された医薬部外品7製品が対象です。製品名や使用期限を確認してください。
Q5. 薬局ではどう対応すればいいですか?
対象製品の在庫を確認し、該当する場合は販売を止め、メーカー・卸などからの回収案内に従って対応することが基本です。
参考情報
- PMDA「医薬品回収の概要(クラスII)」
- PMDA「2026年度クラスII 医薬品回収情報」
- 厚生労働省「医薬品等回収関連情報」


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