こんにちは。薬剤師のしぐです。
さて、ハンタウイルス。
少し、話題になってきてますので、かんたんにまとめてみました。
「ハンタウイルス」って聞くと、なんだか海外の珍しい感染症みたいに感じますよね。
でも実はこれ、ネズミなどのげっ歯類が関係するウイルス感染症です。

日本で日常的にたくさん発生している感染症ではありませんが、海外では地域によって流行があり、感染すると重症化することもあるため、知っておきたい感染症のひとつです。
今回は、
ハンタウイルスとは何か?
どうやって感染するのか?
どんな症状が出るのか?
日本では注意が必要なのか?
について、かんたんにまとめていきます。
- ハンタウイルスとは?
- ハンタウイルスで起こる主な病気
- 感染経路は?人から人にうつるの?
- どんな症状が出る?
- 治療薬はあるの?
- 日本ではどのくらい心配すればいい?
- 予防で大事なのは“ネズミ対策”
- 薬局で聞かれたらどう答える?
- まとめ:ハンタウイルスは“ネズミ由来”を押さえる
- ハンタウイルス肺症候群とは?
- 最初は“風邪っぽい”のがやっかい
- 進行が早いことがある
- 感染経路はやっぱり“ネズミ”
- 人から人へうつるの?
- 治療はどうする?
- 日本でのハンタウイルスについての現状
- そもそもハンタウイルスとは?
- 今回、なにが話題になったの?
- 厚労省「国内で感染拡大する可能性は低い」
- 日本国内で注意すべきケースは?
- 予防で大切なのは「ネズミ対策」と「掃除方法」
- まとめ|“過度に怖がる”より、“正しく知る”ことが大切
- ハンタウイルスの「アンデス型」とは?
- そもそもアンデス型とは?
- 通常のハンタウイルスとの違い
- どんな場面で感染が疑われている?
- 致死率が高い点にも注意
- 今回の南アフリカでの報道について
- アンデス型ハンタウイルス|日本国内では?
ハンタウイルスとは?
ハンタウイルスは、主にネズミなどのげっ歯類が保有するウイルスです。
感染したネズミの尿・ふん・唾液などにウイルスが含まれていて、それらが乾燥してホコリとなり、空気中に舞い上がったものを吸い込むことで人に感染することがあります。ネズミに咬まれる、排泄物に触れる、といった経路でも感染が起こりえます。
ポイントはここです。
ハンタウイルス=ネズミ由来のウイルス感染症
つまり、インフルエンザや新型コロナのように「人から人へどんどん広がる感染症」というより、基本的にはネズミのいる環境に入り込んだときに注意が必要な感染症です。
CDCも、ハンタウイルスは主にげっ歯類によって広がり、一般的には人から人へは広がらないと説明しています。
ハンタウイルスで起こる主な病気
ハンタウイルス感染症には、大きく分けて2つのタイプがあります。
① 腎症候性出血熱:HFRS
こちらは主に、
発熱・出血傾向・腎障害
などを特徴とするタイプです。
厚生労働省では、腎症候性出血熱について「ハンタウイルスによる熱性・腎性疾患」と説明しており、主にネズミの排泄物への接触やエアロゾル吸入で感染するとされています。
流行地域としては、アジアやヨーロッパの一部が知られています。日本でも過去には1960〜70年代に報告がありますが、その後は国内での発生はみられていないとFORTHは説明しています。
② ハンタウイルス肺症候群:HPS
こちらは、名前の通り肺に強く影響するタイプです。
最初は、発熱や筋肉痛など、風邪やインフルエンザのような症状から始まります。その後、咳や急速に進行する呼吸困難が出てくることがあります。厚労省も、ハンタウイルス肺症候群では前駆症状として発熱・筋肉痛がみられ、その後に咳や急性に進行する呼吸困難が特徴的としています。
CDCによると、HPSは初期にはインフルエンザ様症状から始まり、呼吸困難を伴う重症例へ進行することがあり、致死率は「感染者の約10人中4人」とされています。
ここが、ハンタウイルスの怖いところです。
最初は“ただの風邪っぽい”のに、急に呼吸状態が悪くなることがある。
だからこそ、海外の流行地域でネズミのいる環境に入ったあとに、発熱・筋肉痛・息苦しさが出た場合は、早めの受診が大切になります。
感染経路は?人から人にうつるの?
基本的には、感染源はネズミなどのげっ歯類です。
感染経路としては、
・ネズミの尿やふんが乾燥して舞い上がったホコリを吸い込む
・ネズミの排泄物や唾液に触れる
・感染したネズミに咬まれる
・汚染された場所を掃除しているときに吸い込む
などが考えられます。
逆にいうと、通常の生活で人から人へ次々に感染が広がるタイプの感染症ではありません。
CDCは、ハンタウイルスは主にげっ歯類によって広がり、人から人へは広がらないとしています。
なので、患者さんが出たからといって、すぐに「空気感染で周囲に広がる!」というイメージではありません。
大事なのは、
ネズミの排泄物があるような場所を不用意に掃除しないこと
です。
特に、倉庫、納屋、山小屋、長く使っていない建物、キャンプ施設などは注意です。

どんな症状が出る?
症状はタイプによって違いますが、初期症状としては、
・発熱
・筋肉痛
・倦怠感
・頭痛
・腹痛、吐き気、下痢などの消化器症状
などがみられることがあります。
ハンタウイルス肺症候群では、その後に、
・咳
・息苦しさ
・呼吸困難
・頻呼吸
・頻脈
などが出てくることがあります。厚労省も、HPSでは発熱・筋肉痛のあと、咳や急性に進行する呼吸困難、消化器症状や頭痛を伴うことがあるとしています。
ここで薬剤師的に大事だなと思うのは、
“風邪っぽいですね”で終わらせてはいけない背景があるかどうか
です。
たとえば、
・海外渡航歴がある
・山小屋や倉庫を掃除した
・ネズミのふんがある場所に入った
・キャンプやアウトドア後に発熱した
・発熱に加えて息苦しさがある
こういう情報があると、ただの感冒とは少し見方が変わります。
治療薬はあるの?
ハンタウイルス感染症に対して、誰にでも使える明確な特効薬があるわけではありません。
治療の中心は、状態に応じた支持療法です。
特にハンタウイルス肺症候群では、呼吸状態が悪化することがあるため、早期に医療機関で評価し、必要に応じて酸素投与や集中治療が行われます。CDCも、HPSでは早期に治療を開始することが回復の可能性を高めるため重要としています。
つまり、薬局で市販薬を買って様子を見るというより、
ネズミ曝露+発熱+息苦しさ
この組み合わせがあるなら、早めに医療機関へつなぐべき感染症です。
日本ではどのくらい心配すればいい?
日本国内で、ハンタウイルス感染症が日常的に問題になっているわけではありません。
FORTHでは、腎症候性出血熱について、日本では1960〜70年代に発生報告があるものの、その後はみられていないと説明しています。
ただし、海外渡航、輸入感染症、アウトドア、倉庫整理、ネズミ対策などを考えると、完全に無関係とも言い切れません。
特に、海外の流行地域に行く人、長く閉め切った建物を掃除する人、ネズミの侵入がある環境で作業する人は、知識として持っておく価値があります。
予防で大事なのは“ネズミ対策”
ハンタウイルス対策で一番大事なのは、シンプルにいうと、
ネズミとその排泄物に近づかないこと
です。
具体的には、
・ネズミが入らないように建物の隙間をふさぐ
・食品やゴミを放置しない
・ネズミのふんを見つけたら、乾いたまま掃いたり掃除機で吸ったりしない
・掃除時は換気し、防護具を使う
・排泄物がありそうな場所は消毒してから処理する
・キャンプや山小屋では寝床や食品管理に注意する
といった対策が大切です。
特に注意したいのは、乾いたふんをホウキで掃くこと。
これ、ウイルスを含んだホコリを舞い上げる可能性があります。
「ネズミのふんを見つけたら、まず掃除機!」ではなく、
換気・湿らせる・防護して処理
というイメージです。

薬局で聞かれたらどう答える?
患者さんから、
「ハンタウイルスって、人にうつるんですか?」
「ネズミが出たんだけど大丈夫?」
「海外で流行ってるって見たけど怖いの?」
と聞かれたら、こんな感じで伝えるとよさそうです。
ハンタウイルスは、主にネズミなどが持っているウイルスです。人から人へ広がる感染症というより、ネズミの尿やふんなどに触れたり、それが乾いて舞い上がったホコリを吸い込むことで感染することがあります。日本で日常的に多い感染症ではありませんが、ネズミのふんがある場所を掃除した後に発熱や息苦しさが出る場合は、早めに医療機関へ相談してください。
このくらいの説明が、怖がらせすぎず、でも大事なポイントを押さえられると思います。
まとめ:ハンタウイルスは“ネズミ由来”を押さえる
ハンタウイルスは、ネズミなどのげっ歯類が関係するウイルス感染症です。
日本で日常的に多い感染症ではありませんが、感染すると重症化することがあり、特にハンタウイルス肺症候群では呼吸状態が急速に悪化することがあります。
大事なのは、
ネズミの排泄物に注意すること。
乾いたふんを舞い上げないこと。
曝露歴があって発熱や息苦しさがあれば、早めに受診すること。
感染症って、名前だけ聞くとすごく怖く感じます。
でも、感染経路を知ると、対策のポイントも見えてきます。
ハンタウイルスは、
「人から人へ広がる感染症」というより、
“ネズミのいる環境でどう身を守るか”が大事な感染症。
知っておくだけで、不要な不安を減らしつつ、必要な場面ではちゃんと医療につなげられる感染症だと思います。
ハンタウイルス肺症候群とは?
ハンタウイルス感染症の中でも、特に注意したいのが
ハンタウイルス肺症候群:HPS/Hantavirus Pulmonary Syndrome
です。
これは、ハンタウイルスの中でも主に北米・中南米に分布するウイルスによって起こる重症感染症で、名前の通り、肺に強い影響が出ます。
日本の国立健康危機管理研究機構の解説では、ハンタウイルス肺症候群はオルソハンタウイルス属のウイルスを病原体とする感染症で、主な感染経路は、病原体を保有するげっ歯類の排泄物を含む粉じんの吸入とされています。また、日本国内での患者発生報告はないとされています。
つまり、ざっくり言うと、
ネズミの排泄物が乾いて、ホコリになって、それを吸い込むことで感染することがある肺の重い感染症
というイメージです。
最初は“風邪っぽい”のがやっかい
ハンタウイルス肺症候群の難しいところは、最初の症状がかなり普通の感染症っぽいことです。
初期には、
・発熱
・筋肉痛
・倦怠感
・頭痛
・悪寒
・吐き気
・嘔吐
・下痢
・腹痛
などが出ることがあります。
CDCも、初期症状として疲労、発熱、筋肉痛などがみられ、その後、咳や息切れが出現し、肺に液体がたまることで胸の圧迫感を感じることがあると説明しています。
ここが怖いところで、最初だけ見ると、
「風邪かな?」
「インフルっぽい?」
「胃腸炎かな?」
くらいに見えてしまうことがあります。
でも、その後に咳・息苦しさ・呼吸困難が出てくると、一気に重症化することがあります。
進行が早いことがある
ハンタウイルス肺症候群は、初期症状のあと、呼吸器症状が出てからの進行が早いことがあります。
厚生労働省は、ハンタウイルス肺症候群について、発熱や筋肉痛などの前駆症状の後、咳や急性に進行する呼吸困難がみられ、胸部X線で肺に広範な滲出液が貯留した特徴像が出ると説明しています。致死率は40〜50%とされています。
またCDCも、十分な治療が行われない場合、心肺症状の段階に入ってから24〜48時間以内に死亡する例が多いとしています。
なので、ハンタウイルス肺症候群は、
「熱が出た」だけで過度に怖がる感染症ではないけれど、 “ネズミ曝露のあとに、発熱+息苦しさ”がある場合は急ぐべき感染症
と考えるとわかりやすいと思います。
感染経路はやっぱり“ネズミ”
ハンタウイルス肺症候群も、基本はげっ歯類、つまりネズミなどが関係する感染症です。
感染経路としては、
・ネズミの尿やふんを含むホコリを吸い込む
・ネズミの排泄物や唾液に触れる
・ネズミに咬まれる
・汚染された食べ物を口にする
などが考えられます。
FORTHも、流行地域でウイルスを持つげっ歯類に咬まれる、排泄物に触れる、排泄物を含んだほこりを吸い込むことで感染すると説明しています。
ここで大切なのは、掃除のしかたです。
ネズミのふんがある場所を、いきなりホウキで掃いたり、掃除機で吸ったりすると、ウイルスを含む可能性のあるホコリを舞い上げてしまう可能性があります。
長く閉め切った倉庫、山小屋、納屋、キャンプ施設などでネズミの痕跡がある場合は、乾いたまま掃除しないことが大切です。
人から人へうつるの?
多くのハンタウイルスでは、基本的に人から人へ広がる感染症ではないとされています。
ただし、例外的に南米のアンデスウイルスでは、人から人への感染が報告されています。WHOは、ハンタウイルスの感染はげっ歯類との接触が主ですが、アンデスウイルスでは限定的な人から人への感染が報告されているとしています。
基本はネズミ由来。 通常は人から人へどんどん広がる感染症ではない。 ただし、南米の一部ウイルスでは例外もある。といった感じです。
治療はどうする?
ハンタウイルス肺症候群に対して、確立した特効薬はありません。
治療の中心は、酸素投与、人工呼吸管理、循環管理などの支持療法です。
WHOも、ハンタウイルス感染症に特異的な治療薬やワクチンはない一方で、早期の支持療法とICU対応が可能な医療機関への速やかな紹介が生存率を改善しうるとしています。
薬剤師目線でいうと、ここがすごく大事です。
薬局で、
「海外から帰ってきてから熱がある」
「山小屋を掃除したあとから体調が悪い」
「ネズミのふんがあった場所を掃除した」
「息苦しさもある」
こういう話が出た場合、OTCで様子見ではなく、医療機関への相談を強めにすすめる場面です。
ハンタウイルス肺症候群は、日本ではかなりまれな感染症です。
でも、海外渡航やアウトドア、倉庫整理、ネズミの侵入がある場所での作業などを考えると、「知識として知っておく価値」は十分あります。
特に覚えておきたいのは、この組み合わせです。
ネズミ曝露 + 発熱・筋肉痛などの風邪っぽい症状 + 咳・息苦しさ
この流れがある場合は、早めに受診。
ハンタウイルス肺症候群は、最初は普通の風邪っぽく見えても、呼吸器症状が出てから急速に悪化することがあります。
だからこそ、
「何をした後に症状が出たのか」
という背景がとても大事です。
感染症は、症状だけでなく、行動歴・渡航歴・動物や環境との接触歴が診断のヒントになります。
ハンタウイルス肺症候群は、まさにその代表のような感染症だと思います。
日本でのハンタウイルスについての現状
では、日本ではハンタウイルスはどのくらい注意が必要なのでしょうか。
結論からいうと、日本国内でハンタウイルス感染症が日常的に流行している状況ではありません。
ハンタウイルスによる病気には、大きく分けて、腎臓に強く影響する腎症候性出血熱と、肺に強く影響するハンタウイルス肺症候群があります。
まず、ハンタウイルス肺症候群については、国立健康危機管理研究機構の2026年1月28日更新情報で、日本国内では患者発生の報告はないとされています。主な流行地域は北米・中南米で、病原体を保有するげっ歯類の排泄物を含む粉じんの吸入などで感染すると説明されています。
一方、腎症候性出血熱については、日本でも過去に発生がありました。1960年ごろから約10年間、大阪梅田駅周辺で119例の感染者と2例の死亡が確認されています。また、1970〜80年代には、実験用ラットがウイルスで汚染されていたことによる研究施設関連の感染が、22機関で126例発生したとされています。ただし、現在では施設改善や飼育販売業者によるチェック体制などにより、感染症法が施行された1998年12月28日以降、国内で患者発生は確認されていないとされています。
つまり、日本での現状をかなりざっくり言うと、
「過去には国内発生があった。
でも、現在は国内で継続的に患者が出ている感染症ではない。
ただし、海外渡航や輸入感染症としては知っておきたい。」
という位置づけです。
法律上も、ハンタウイルス肺症候群、腎症候性出血熱はいずれも感染症法上の4類感染症・全数把握対象疾患です。診断した医師は、直ちに最寄りの保健所へ届け出る必要があります。
また、2026年5月には、WHOがクルーズ船旅行に関連したハンタウイルス感染クラスターを報告しています。2026年5月4日時点で、2例の検査確定例と5例の疑い例、計7例が確認され、そのうち3例が死亡しています。WHOは、通常は感染したげっ歯類の尿・ふん・唾液との接触で感染するとしつつ、アンデスウイルスではまれに限定的なヒトからヒトへの感染が報告されていること、そして今回の事例による世界全体へのリスクは低いと評価しています。
なので、日本国内で生活しているだけで過度に心配する感染症ではありません。
ただし、
・北米、中南米などの流行地域への渡航
・山小屋、倉庫、納屋などネズミの痕跡がある場所の掃除
・海外旅行後の発熱、筋肉痛、咳、息苦しさ
・ネズミのふんや尿を含むホコリを吸い込んだ可能性
こうした背景がある場合には、話が変わります。
特に、発熱に加えて息苦しさがある場合は、OTCで様子を見るよりも、早めに医療機関へ相談した方がよい場面です。
薬局で患者さんから聞かれたら、こんなふうに伝えるのが現実的だと思います。
日本では、ハンタウイルス感染症が日常的に流行している状況ではありません。
ただ、過去に国内発生はあり、海外では現在も発生があります。
特に、流行地域への渡航後や、ネズミのふんがある場所を掃除した後に、発熱や息苦しさが出た場合は、早めに医療機関へ相談してください。
ハンタウイルスは、名前だけ聞くとかなり怖く感じます。
でも、日本での現状としては、
「国内で普通に広がっている感染症」ではなく、
“ネズミ曝露”と“海外渡航歴”をセットで考える感染症
という理解が、いちばんバランスがよさそうです。
ハンタウイルスの最新動向|国内で“集団感染疑い”報道も、厚労省は「国内拡大の可能性は低い」とコメント
2026年5月、ハンタウイルスに関するニュースが大きく報じられました。
海外で「集団感染の疑い」が報告されたことを受け、日本国内でも不安の声が広がっています。
しかし、厚生労働省は現時点で、
「国内で感染が広がる可能性は低い」
との見解を示しています。
今回は、この報道を踏まえて、現在わかっている“ハンタウイルスの最新動向”を整理しておきたいと思います。
そもそもハンタウイルスとは?
ハンタウイルスは、主にネズミなどのげっ歯類が保有するウイルスです。
感染経路として代表的なのは、
- ネズミの排泄物
- 尿
- 唾液
などが乾燥し、空気中に舞ったものを吸い込むケース。
ヒトからヒトへの感染は、基本的には極めて限定的とされています。
今回、なにが話題になったの?
今回注目されたのは、“集団感染の疑い”が海外で報告されたこと。
これにより、
- 「新型感染症になるのでは?」
- 「日本でも流行するのでは?」
といった不安がSNSなどで急速に広がりました。
ただし、現時点では国内での感染拡大を示す状況は確認されておらず、厚労省も冷静な対応を呼びかけています。
厚労省「国内で感染拡大する可能性は低い」
今回の報道に対し、厚生労働省は、
- 日本国内では感染例が極めて少ない
- 持続的なヒト-ヒト感染は確認されていない
- 過度に心配する状況ではない
というスタンスを示しています。
特に重要なのは、
“空気感染でどんどん広がるタイプではない”
という点。
新型コロナのような感染様式とは大きく異なるため、現時点で一般生活への影響は限定的と考えられています。
日本国内で注意すべきケースは?
とはいえ、完全にゼロリスクではありません。
注意が必要なのは、
- 古い倉庫
- 空き家
- ネズミ被害のある場所
- 清掃時の粉塵吸入
など。
特に、ネズミの糞や尿が乾燥した環境では、舞い上がった粒子を吸い込むことで感染リスクが生じます。
予防で大切なのは「ネズミ対策」と「掃除方法」
予防としては、
- ネズミを室内に侵入させない
- 糞を乾いたまま掃除機で吸わない
- マスク・手袋を使用する
- 消毒してから処理する
といった基本対策が重要です。
実はこれ、薬局や医療機関のバックヤード管理とも少し似ています。
「見えないリスクを、環境管理で減らす」
感染症対策の基本ですね。
まとめ|“過度に怖がる”より、“正しく知る”ことが大切
今回のニュースで、「ハンタウイルス」という名前を初めて聞いた方も多かったかもしれません。
ただ、現時点では、
- 国内で大規模流行しているわけではない
- 日常生活で過度に恐れる状況ではない
- まずは正しい知識と基本的な衛生管理が大切
というのが現状です。
感染症のニュースは、不安だけが先行しやすいもの。
だからこそ、“正しく怖がる”ことが大切なのかもしれませんね。
クルーズ船での集団感染・死亡例も報告されています。
正しく理解して、正しく予防しましょう。
ハンタウイルスの「アンデス型」とは?
今回、南アフリカ保健省から報告されたのは、ハンタウイルスの中でも特殊なタイプである「アンデス型(Andes virus)」です。
ハンタウイルスは通常、
「ネズミなどのげっ歯類からヒトへ感染するウイルス」
として知られています。
しかし、このアンデス型は例外的に、
“ヒトからヒトへの感染が報告されている”
という点が、世界的に注目されています。
そもそもアンデス型とは?
アンデス型ハンタウイルスは、
主に南米(アルゼンチン・チリ周辺)で確認されているタイプです。
特に、
- アルゼンチン
- チリ
- パタゴニア地方
などで報告が多く、
長尾型の野ネズミ(long-tailed pygmy rice rat)が自然宿主とされています。
通常のハンタウイルスとの違い
多くのハンタウイルスは、
- ネズミの尿
- 糞便
- 唾液
などが乾燥し、
それを吸い込むことで感染します。
つまり、
「ヒト → ヒト感染は基本的に起こりにくい」
と考えられてきました。
しかしアンデス型では、
家族内や濃厚接触者間での感染が過去に複数報告されています。
どんな場面で感染が疑われている?
現在までの報告では、
- 長時間の近距離接触
- 同居
- 同じ部屋での生活
- 看病
- 唾液・飛沫への暴露
などが関係している可能性が指摘されています。
一方で、
新型コロナのように
「空気感染で爆発的に広がる」
タイプではないと考えられています。
WHOも、
現時点で世界的流行リスクは低いと説明しています。
致死率が高い点にも注意
アンデス型は、
「ハンタウイルス肺症候群(HPS)」
を引き起こすタイプとして知られています。
初期症状は、
- 発熱
- 倦怠感
- 筋肉痛
など“風邪のような症状”ですが、
その後急激に呼吸状態が悪化し、
重症肺炎のような経過をたどることがあります。
報告によって差はありますが、
致死率は30〜40%前後とされ、
決して軽視できる感染症ではありません。
今回の南アフリカでの報道について
今回AFPなどで報じられたケースでは、
クルーズ船内での集団感染疑いが問題となっています。
WHOは、
「アンデス型」が確認されたと発表し、
一部でヒトからヒト感染の可能性を調査中としています。
ただし現時点では、
- 感染源が船内だったのか
- 南米滞在中だったのか
- ネズミ曝露だったのか
- 濃厚接触による感染だったのか
については、
まだ完全には解明されていません。
アンデス型ハンタウイルス|日本国内では?
現時点で、
日本国内でアンデス型ハンタウイルスの流行は確認されていません。
また、
日本で一般生活をしていて感染リスクが高い状況ではないと考えられています。
ただ今回の報道は、
「ハンタウイルスにも“ヒトからヒトへ感染する例外的タイプ”が存在する」
という点を、
改めて世界に知らしめるニュースとなりました。


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