薬剤師のしぐです。
今回はメラトニン〈メラトベル顆粒〉について!です。
本日初めてこのメラトニン〈メラトベル顆粒〉の処方を受けました。
いやー。なんというか。全くの無知識で。
何にもわからない状態。というわけで、調べてまとめてみました!
結構、イロイロと、興味深い内容がそろってるので最後までみてみてください〜
メラトベル顆粒小児用の有効成分
メラトニン
メラトニン。メラトニンは、完全に体内で松果体から分泌される内因性ホルモンです。
内因性メラトニンは、トリプトファンからセロトニンを経て合成されます。
メラトベル錠の類似薬であるロゼレム錠の有効成分は「ラメルテオン」。コチラは人工の物質で、メラトニンの効果を6〜7倍に高めたものとなります。
メラトニン〈メラトベル顆粒〉の適応、効能効果
小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善
ふむ。ここで注目なのが、「小児期の」です。
一般に「小児期」の概念として、6歳〜14・15・16・17歳のことを指すようです。
このメラトニン〈メラトベル顆粒〉の臨床試験の対象になっているのが6歳〜15歳です。この範囲外の年齢での有効性及び安全性は確立していないので、メーカーさんとしてはオススメできないそうです。
【効能または効果に関連する注意】には下記の記載もあります、要確認ですね!
6歳未満又は16歳以上の患者における有効性及び安全性は確立していない(当該年齢の患者を対象とした臨床試験は実施していない)
ただ、やっぱりこのメラトベル顆粒。いいお薬なだけあって6歳未満のお子さんにもけっこう処方されるわけでして、、、
念のためにメーカーさんに確認してみました。6歳未満の患者に対する投与について。
「有効性、安全性の確認はとれてませんが、医師の判断で処方されることは増えています。なので、あくまでも医師の判断でなら、6歳未満の患者さんへの投与も可能です。」
なるほど。すべて医師任せ。にはなるけど、不可ではないってことですね。
メラトニン〈メラトベル顆粒〉の適応が小児限定の理由
「成人期の神経発達症に伴う睡眠障害の病態に関する研究・調査の報告はないが、睡眠の問題の有無にかかわらず、神経発達症で成人期に医療機関を受診している患者が抱える問題は、精神面を中心に小児期よりさらに多様であり、通常、問題の背景も小児期とは異なる。したがって、成人期と小児期において発達や治療法は異なる可能性が高く、同一の病態とするのは困難である」とのこと。
メラトニン〈メラトベル顆粒〉の用法用量
通常、小児にはメラトニンとして1日1回1mgを就寝前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回4mgを超えないこと。
用法及び用量に関連する注意
- 本剤は、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して作業等をする可能性があるときには服用させないこと。
- 増量にあたっては患者ごとに睡眠状況を観察しながら行い、1週間以上の間隔を空けること。
- 最高血中濃度が低下するおそれがあるため、本剤は食事と同時又は食直後の服用は避けること。
実際のところ、メラトベル顆粒0.5g(1mg)/回/日での処方が圧倒的に多いですね。その他にも0.75g(1.5mg)/回/日での処方だったり、1g(2mg)/回/日の処方は普通にみますねー。
メラトニン〈メラトベル顆粒〉の食事による影響
健康成人6例を対象とした国内臨床試験(単回投与試験)において、メラトニン1mgを空腹時又は食後に単回経口投与したとき、空腹時に比べ食後投与時のCmaxは15.4%低下し、AUC0-10hは18.7%増加し、t1/2は11.9%増加した。
6例、、、。す、少なすぎる。
メラトニン〈メラトベル顆粒〉の作用機序
メラトニンは視交叉上核のMT1及びMT2受容体を活性化することで視交叉上核の神経活動を調節し、睡眠の誘導作用を示すと考えられる。
MT1受容体活性化が催眠に、MT2受容体活性化が視床下部によって制御されている睡眠・覚醒を含む概日リズムの維持・調整に関与しているようです。
メラトニン〈メラトベル顆粒〉の特徴
何よりも「体内で生合成される物質」であるため、副作用が少ないことが最大の特徴になります。
海外ではOTCとして普通に販売しているようで、日本の医療関係者も海外での講演や学会の後の日内リズム是正のために愛用している方が多いんだとか。
メラトニン〈メラトベル顆粒〉の禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- フルボキサミンマレイン酸塩を投与中の患者
メラトニン〈メラトベル顆粒〉の薬物相互作用
今回、少し気になったのでコチラもご紹介します。
フルボキサミンマレイン酸
健康成人にメラトニン5mgの経口投与の3時間前にフルボキサミン50mgを投与したとき、メラトニンのCmaxが1074±507%、AUCが1635±1023%に増加したとの報告がある。t1/2は単独投与時で9.4±2.5時間、併用投与時で13.4±10.7時間であった。
カフェイン
健康成人にメラトニン6mgの経口投与の1時間前、1時間後及び3時間後にカフェイン200mgを経口投与したとき、メラトニンのCmaxが137%、AUCが120%増加したとの報告がある。
喫煙
喫煙者を7日間禁煙させメラトニン25mgを経口投与したところ、禁煙前と比較し血清中濃度が約2.9倍と有意に上昇し、AUCも増加したとの報告がある。
あくまでも、日本での適応、効能効果は現在「小児期」のみとなります。ご紹介だけ。
メラトニン〈メラトベル顆粒〉の薬価
メラトベル顆粒小児用0.2%:207.8円/g
包装は、バラ100g/本での販売のみ。
メラトニン〈メラトベル顆粒〉の味
なんと、爽やかな甘みがありスゴク服用しやすいと好評なんだとか!
メーカーさんは「キシリトールのような爽やかで清涼感のある甘み」とうたっています。
変にバナナやイチゴやといった甘みではないようなので、全年代共通で服用しやすいかもしれないですね!
今回はこんな感じー
これまでは、小児の不眠症に対して結構「ロゼレムの粉砕」が多く処方されていました。
このメラトニン〈メラトベル顆粒〉の販売により変わってくるように感じます。
まだ新しい医薬品なので、新しい情報が入り次第随時更新していきます〜
メラトニン〈メラトベル顆粒〉処方状況
メラトベル顆粒発売から数ヶ月たちましたが、自分の薬局ではもう10人以上のお子さんに処方されています!
14日制限がまだありますが、スゴく患者さんからの感触もいい感じですね。
今後もドンドン処方量が増えそうなメラトニン〈メラトベル顆粒〉。要チェックです。
メラトベル顆粒は遮光保管!!
さて、みなさん。コレ、ご存知でしたか?
添付文書にも記載があるんですよねー。
でももっと、インパクトあるよーに記載してほしい!!
ではではしぐでしたっ
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