【2026年改定】吸入薬指導加算とは?算定要件・6月に1回・インフルエンザ対応を解説

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薬剤師のしぐです。

今回は、薬局での**「吸入薬指導加算」**について。

実はこの加算については、2020年度の調剤報酬改定で新設されたときに一度記事を書いていました。

当時は、4月1日を迎えてみると、

「薬局へ:吸入指導依頼」

とコメントの入った処方箋が次々と来て、

「えっ、これどうやって算定するんだっけ?」

「情報提供はいつする?」

「算定するタイミングは?」

なんて、結構バタバタしたのを覚えています。

あれから6年。

2026年度の診療報酬改定で、吸入薬指導加算にも大きな変更が入りました。

特に大事なのはこの2つ。

①「3月に1回」から「6月に1回」へ変更

そして、

② インフルエンザウイルス感染症に対する吸入薬も対象に追加

です。

点数自体はこれまでと変わらず30点

ただし、対象患者や算定間隔が変わっているので、以前の知識のままだと間違えてしまう可能性があります。

ということで今回は、以前の記事を全面的に見直して、

2026年度版「吸入薬指導加算」

として、算定要件から実際の薬局業務、レセプト記載までまとめてみます。


吸入薬指導加算とは?

まずは基本から。

2026年度の吸入薬指導加算は、

30点/6月に1回

です。

吸入薬を使用している患者さんに対して、薬剤師が必要な指導等を行い、その結果を保険医療機関へ情報提供した場合に算定します。

2026年度改定前との違いを簡単にまとめるとこんな感じ。

改定前2026年度
点数30点30点
算定間隔3月に1回6月に1回
主な対象喘息・COPD喘息・COPD+インフルエンザ
インフルエンザ吸入薬対象外対象

点数は変わっていませんが、

算定できる間隔が長くなった一方で、対象患者は広がった。

というのが今回のポイントですね。


2026年度の吸入薬指導加算|算定要件

では、もう少し詳しく見ていきます。

吸入薬指導加算は、吸入薬の投薬が行われている患者さんに対して、

  • 患者さんやその家族等から求めがあった場合
  • 保険医療機関から求めがあった場合

などに、患者さんまたは家族等の同意を得たうえで必要な指導を行います。

そして大事なのが、

「吸入指導をして終わり」ではない

ということ。

指導した内容や結果について、保険医療機関へ必要な情報を文書で提供することまでがセットになっています。


喘息・COPDでは実際の吸入手技を確認する

喘息やCOPDで吸入薬を使用している患者さんの場合は、

文書や練習用吸入器などを使って吸入手技を指導し、本当に正しく使用できているかを確認します。

ここ、大事です。

単に、

「朝晩1回ずつ吸ってくださいね」

「吸ったあとはうがいしてくださいね」

と説明するだけではなく、

実際に患者さんに操作してもらう。

これがポイント。

吸入薬って、処方されているだけでは意味がなくて、

正しく吸えて初めて薬がしっかり届く

んですよね。

実際に患者さんにやってもらうと、

「あれ?そこ逆ですよ」

「吸う前にデバイスへ息を吐いちゃってますよ!」

「吸った瞬間に息を吐いちゃってます!」

なんてこと、結構あります。

長年使っている患者さんでも、意外と自己流になっていたりします。

だからこそ、薬局で実際の手技を確認する意味はかなり大きいと思っています。

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吸入指導で確認しておきたいポイント

自分が吸入指導するときには、少なくとも次のあたりを確認しておきたいところ。

吸入器の準備操作

デバイスによって、

  • カバーを開ける
  • レバーを動かす
  • 本体を回転させる
  • ボタンを押す

など準備方法が全然違います。

患者さんがきちんと薬剤をセットできているか確認します。

吸入前にしっかり息を吐けているか

意外と抜けがちなところ。

ただし、吸入口に向かって息を吐かないことも重要です。

特に粉末吸入剤(DPI)では注意したいですね。

適切に吸入できているか

吸入速度や吸い方は、デバイスによって異なります。

患者さんの吸気力も含めて、

「このデバイスを本当に使えているか?」

を見ることが大切。

うまく使えていない場合には、処方医への情報提供や疑義照会につながることもあります。

吸入後に息止めができているか

吸った瞬間、

「ふぅ〜」

っと吐いちゃう患者さん。

結構います。

吸入後の息止めまで含めて、一連の流れを確認します。

うがいができているか

吸入ステロイドを含む薬剤では、口腔カンジダ症や嗄声などの局所副作用を防ぐためにも、吸入後のうがいは大切。

「うがいしてくださいね」

だけではなく、

実際に毎回できているか

まで聞いてみるといいと思います。

残量を理解しているか

これも結構重要。

「まだ薬が入っていると思って使ってました」

ということもあります。

残量カウンターの見方や、交換時期も確認しておきたいところです。


2026年度からインフルエンザの吸入薬も対象に!

今回の改定で個人的に一番大きいと思うのがココ。

以前の吸入薬指導加算では、対象は喘息・COPDの患者さんに限られていました。

なので、以前この記事でも、

「イナビルやリレンザには算定できません」

と書いていました。

ですが、

2026年度から変わりました。

インフルエンザウイルス感染症に対して吸入薬を使用する患者さんも、吸入薬指導加算の対象となっています。

昔の記事を覚えている薬剤師さんは要注意ですね。

自分の記事も6年経つと、こういうところをちゃんと書き換えていかないとダメだなぁと改めて感じます。


インフルエンザでは薬剤師の看視下で吸入する

喘息やCOPDの場合と、インフルエンザの場合では実施内容が少し違います。

インフルエンザウイルス感染症に対して吸入薬を使用する場合は、

保険薬剤師による看視の下で吸入させる

こととされています。

つまり、

「やり方だけ説明して、家に帰って吸ってくださいね」

ではなく、

薬局で薬剤師が確認しながら実際に吸入してもらう

ということですね。

これまで実務として行っていた薬局も多かったと思いますが、2026年度からはその業務が吸入薬指導加算として評価されるようになりました。

インフルエンザシーズンには結構大きな変更だと思います。

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吸入薬指導加算は6月に1回

ここも重要なので、もう一度。

2026年度から、

吸入薬指導加算は6月に1回まで。

以前は3月に1回だったので、算定間隔は長くなっています。

ただし、

「じゃあ一度算定したら、6ヶ月間は絶対算定できないの?」

というと、そうではありません。


6月以内でも「別の吸入薬」なら算定できる場合がある

患者さんに別の吸入薬が処方されて、

その吸入薬について改めて必要な吸入指導を行った場合

には、前回の吸入薬指導加算から6月以内でも算定することができます。

例えば、

これまで使っていたデバイスから、全く操作方法の異なる吸入薬へ変更された場合。

当然、

「前回教えたから大丈夫ですよね」

とはいかないですよね。

デバイスが変われば操作方法も吸入方法も変わります。

そういった場合には、改めて必要な吸入指導を実施することで、6月以内でも算定可能です。

ただし、

「吸入薬が処方されるたびに毎回30点」

という意味ではないので、そこは注意しておきたいところ。


吸入指導後は医療機関への情報提供が必要

吸入薬指導加算で忘れてはいけないのが、

処方元への情報提供。

吸入指導の結果について、保険医療機関へ文書で情報提供します。

例えば、

  • 正しい手順で吸入できていたか
  • どこに問題があったか
  • どんな指導を行ったか
  • 指導後に改善したか
  • 患者さんの理解度
  • アドヒアランス
  • 副作用の有無
  • デバイスが患者さんに合っているか
  • 医師へ伝えておきたい内容

などですね。

以前から、

お薬手帳を使った情報提供でも差し支えない

とされています。

ただ、個人的にはせっかく時間をかけて吸入指導をするなら、

「吸入指導しました。問題ありませんでした。」

だけではちょっともったいない。

どこができていて、どこにつまずいて、どう指導したのか。

そこまで医師へ返すことができると、

薬局で吸入指導を行う意味

がより大きくなると思っています。


吸入薬の使用に疑義があれば処方医へ照会

実際に患者さんの手技を見ていると、

「このデバイスではうまく吸えていないな」

「吸気力的にちょっと厳しいかも」

「患者さん、使い方を完全に勘違いしている」

「実際の使用回数と処方内容が合っていない」

なんてことに気付くことがあります。

こういった場合には、必要に応じて処方医へ照会します。

吸入薬指導加算って、

吸入器の使い方を教えるためだけの加算ではない

と思うんですよね。

実際の吸入状況を薬剤師が確認することで、治療がきちんと成立しているかをチェックする。

そして必要なら医師へフィードバックする。

ここまでできてこその加算かなと思っています。


吸入薬指導加算はいつ算定する?

この部分。

2020年にこの記事を書いたとき、ものすごく悩んだところでした。

当時は、

「吸入指導をした日に算定するの?」

それとも、

「医療機関へ情報提供して、次回処方時に算定するの?」

と周りの薬剤師に聞いても意見が分かれていました。

自分も最初は後者だと思っていたんですが、その後に厚労省から考え方が示され、

吸入薬の指導を行った際に算定する

ことが明確になりました。

もちろん、

医療機関への情報提供は必ず行います。

今となっては当たり前ですが、新設当初ってホントにこういうところで迷うんですよね。

懐かしいです。


服薬情報等提供料との併算定には注意

吸入薬指導加算を算定する際に行った医療機関への情報提供について、

服薬情報等提供料を別に算定することはできません。

吸入薬指導加算自体に、

「吸入指導+医療機関への情報提供」

まで含まれているイメージですね。

また、2026年度では服薬管理指導料4のロまたはハを算定する場合にも、吸入薬指導加算は算定できません。

以前の記事では「かかりつけ薬剤師指導料との併算定」について書いていましたが、2026年度改定でかかりつけ薬剤師関連の評価体系自体が変更されています。

なので、この部分は以前の記事の知識をそのまま使わないよう注意です。

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レセプトには何を書く?

そして2026年度版の記事として、ぜひ押さえておきたいのがレセプト。

吸入薬指導加算を算定した場合には、

対象となる吸入薬の調剤年月日

と、

吸入薬の名称

を記載します。

実際のレセコン上での入力方法についてはメーカーによって異なる可能性があるので、各レセコンの運用も確認しておきましょう。

算定要件は覚えていても、

「摘要欄、何書くんだっけ?」

となりがちなところ。

ここまでセットで覚えておくと安心ですね。


吸入薬指導加算を算定するときのチェックポイント

最後に、薬局で確認しやすいようにまとめておきます。

吸入薬指導加算:30点

原則:6月に1回

確認したいのは、

  • 対象となる吸入薬か
  • 患者・家族等または医療機関からの求めがあるか
  • 患者または家族等の同意を得ているか
  • 喘息・COPDでは実際の吸入手技を確認したか
  • 文書や練習用吸入器等を使って指導したか
  • インフルエンザでは薬剤師の看視下で吸入したか
  • 必要な薬学的指導を行ったか
  • 医療機関へ情報提供したか
  • 情報提供内容などを薬歴へ残したか
  • 前回算定から6月経過しているか
  • 6月以内なら「別の吸入薬への必要な指導」に該当するか
  • レセプトに吸入薬の調剤年月日・名称を記載したか
  • 服薬情報等提供料との重複算定になっていないか

このあたり。

こうして並べてみると結構ありますね。


まとめ|2026年度は「6月に1回」と「インフルエンザ」を覚えておこう

今回は、2026年度診療報酬改定後の吸入薬指導加算についてまとめました。

特に大きな変更は、

30点は変更なし。

でも、

3月に1回 → 6月に1回へ変更。

そして、

インフルエンザウイルス感染症に対する吸入薬も対象になった。

この2点です。

以前この記事を書いた2020年当時は、

「吸入指導に30点ついた!」

ということ自体が大きなニュースでした。

でも、実際に6年間この加算が運用されてきて思うのは、

やっぱり大切なのは30点を算定することそのものではないんですよね。

患者さんが、

「薬を持っている」

ではなく、

「ちゃんと吸えている」

状態にすること。

そのために実際の手技を確認して、問題点を見つけて、必要なら医師へフィードバックする。

吸入薬って本当にデバイスによって使い方が全然違うので、ここは薬剤師が関われる部分がかなり大きいと思います。

2026年度からはインフルエンザ吸入薬まで対象になりました。

これを機会に、もう一度店舗内でも吸入指導の方法を確認しておくといいかもしれませんね。

ではでは。

しぐでしたっ。


よくある質問

吸入薬指導加算は何点?

30点です。

2026年度改定でも点数自体は変更されていません。

吸入薬指導加算は何ヶ月に1回?

2026年度からは原則6月に1回です。

以前は3月に1回だったので注意してください。

6月以内に吸入薬が変更された場合は?

別の吸入薬が処方され、その薬について必要な吸入指導を改めて行った場合には、前回算定から6月以内でも算定できる場合があります。

イナビルなどインフルエンザの吸入薬でも算定できる?

2026年度から対象になりました。

インフルエンザウイルス感染症の場合は、保険薬剤師の看視下で患者さんに吸入してもらいます。

医療機関への情報提供は必要?

必要です。

吸入指導の結果等について文書で情報提供します。

服薬情報等提供料も一緒に算定できる?

吸入薬指導加算に係る情報提供について、服薬情報等提供料を別に算定することはできません。

レセプトには何を記載する?

対象となった吸入薬の調剤年月日と吸入薬の名称を記載します。


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参考資料

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」
  • 厚生労働省「診療報酬請求書等の記載要領等について」
  • 令和8年度調剤報酬点数表・実施上の留意事項

※本記事は2020年に公開した記事を、2026年度診療報酬改定の内容に基づき全面的に更新しています。

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