薬剤師のしぐです。
今回は、大原薬品さんが承認申請を行ったと言われる「グルカルピターゼ」について!
「ase」がついてるので酵素ということですね。
これまでにも何度かまとめたことのある、関節リウマチ関連の内容がこちら!
そんな関節リウマチ治療のアンカードラッグであるメトトレキサート〈リウマトレックス〉の中毒治療薬が発売となります!
そもそも、【メトトレキサート中毒】という言葉すら初めて耳にするわけで、、、
その【メトトレキサート中毒】からまとめてみました。
初歩的な部分から、、、学んでいくことにします。管理薬剤師のしぐです。
メトトレキサートとは
メトトレキサートは 、 免疫抑制作用を持つ抗リウマチ薬で、世界的に最もよく使用されている薬です 。メトトレキサートはリウマチと診断されたらまずはじめに使うべき第1選択薬の1つであり、アンカードラッグとも呼ばれています
メトトレキサートは世界で最も使われている免疫抑制薬で、世界的にリウマチ患者さんの70%以上が服用しているといわれます。日本では1999年に関節リウマチの治療薬として保険適用が認められました。
高い継続率、骨破壊進行抑制効果、他の抗リウマチ薬や生物学的製剤との併用で高い有効性を示すことが世界中から報告されています。
メトトレキサートは服用開始後、早ければ2週間、遅くとも4~8週間で効果がみられます。抗リウマチ薬は効き目が現れるのが遅い(2~3ヵ月)薬が多いため、メトトレキサートは比較的早く効果が出る薬といえます。
メトトレキサートの作用機序
メトトレキサートは「葉酸」の産生を抑制することで、骨や軟骨の破壊を防ぎます。
葉酸は細胞が分裂・増殖する時に重要な物質で、これを抑えることによって、関節で活発になってる免疫細胞(T細胞、滑膜細胞)の増殖を抑制し、炎症を抑制する。といった作用機序となります。
メトトレキサート中毒とは
そもそも「メトトレキサート(MTX)中毒」に明確な定義はないそうです。
ただ、「MTX中毒とはMTX の血中濃度低下滞延により生じる骨髄抑制、粘膜障害、腎障害」のことをを指す。とも言われています。
メトトレキサート中毒薬承認申請!
今回はいってきた内容がコチラ!
大原薬品は3月29日、メトトレキサート(MTX)中毒治療薬グルカルピダーゼ(遺伝子組換え)(一般名、開発コード:OP-07)を承認申請したと発表した。厚労省から希少疾病用医薬品に指定されている。
グルカルピダーゼは、Variovorax paradoxus(Pseudomonas sp. RS16)株由来のグルタミン酸カルボキシペプチダーゼで、390個のアミノ酸残基からなるサブユニット2個から構成される分子量約 83kDaのタンパク質。葉酸アナログであるMTXのカルボキシ末端のグルタミン酸残基を加水分解し、DAMPA (4-deoxy-4-amino-N10-methylpteroic acid)及びグルタミン酸を生成する。
今回の申請は、医師主導臨床試験として実施された国内第2相試験「CPG2-PII試験」を含む8つの国内外の臨床試験の有効性及び安全性に関する成績に基づくもの。CPG2-PII試験はMTXの大量療法後にMTX排泄遅延が認められる患者を対象に、OP-07投与による血中MTX濃度の低減効果を評価することを目的に実施された。
急性リンパ性白血病、骨肉腫、悪性リンパ腫などに対するMTXの大量療法は重要な化学療法のひとつだが、副作用としてMTXの結晶が尿細管に沈着することで腎機能障害を起こし、MTXの排泄遅延によるMTX中毒が生じることがある。MTX中毒の結果、様々な臓器が高濃度のMTXに長期間暴露され、組織障害が生じる可能性がある。
MTX中毒の予防法として、体内中のMTXを排出することを目的とした支持療法(大量補液、尿アルカリ化及び利尿剤の投与)及び毒性軽減を目的としたロイコボリン救援療法が行われる。しかし、これらの予防的処置を行なっても稀に致命的な転帰をたどる場合がある。同社は「アンメットメディカルニーズとして、速やかな解毒作用を有する薬剤が望まれている」としている。
今回はこんな感じ。
メトトレキサート。リウマトレックス。
知らない薬剤師さんはいないかと思います。
そして、MTX中毒について。また1つ勉強になりました。
ではではーしぐでしたっ
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