こんにちは。しぐです。
「限定出荷が解除されました」と聞くと、調達の見通しが立ちそうで、少しほっとしますよね。
ただ、今回の第一三共エスファの案内は、解除という見出しに加えて確認したい内容があります。
ボリコナゾール錠50mg「DSEP」は通常出荷に戻りますが、2026年10月末の供給停止・欠品見込みも、あわせて案内されているからです。


薬局で考えたいのは、今回の処方をそろえられるか、そして次の処方も途切れずに届けられるかということ。
対象製品と、先回りして確認したいポイントを整理します。
※2026年10月17日確認時点。供給予定や卸の在庫は変動するため、発注時には最新情報をご確認ください。

限定出荷が解除されたのは3製品・4包装
第一三共エスファは、2026年10月16日から次の製品の限定出荷を解除しました。
| 製品名 | 対象包装 | 統一商品コード |
|---|---|---|
| ボリコナゾール錠50mg「DSEP」 | PTP50錠 | 081185702 |
| モンテルカストチュアブル錠5mg「DSEP」 | PTP100錠 | 081186228 |
| モンテルカスト細粒4mg「DSEP」 | 14包 | 081186273 |
| モンテルカスト細粒4mg「DSEP」 | 140包 | 081186303 |
細粒には2つの包装があるため、製品としては3製品、包装単位では4包装です。
同じ成分でも、別規格・別剤形・別包装まで一律に解除されたと判断しないようにしたいところです。

ボリコナゾール50mgは、解除後も次回処方への備えが必要
今回の案内では、ボリコナゾール錠50mg「DSEP」PTP50錠は「出荷量通常・通常出荷」とされています。
一方で、10月末をもって供給停止・欠品となる見込みも維持されています。
薬局実務としては、長期的な調達の安定が確認できたとは扱わず、停止前の限られた期間の通常出荷として受け止めるのがよさそうです。
メーカーの販売終了品目一覧でも、50mgは2026年10月末、200mgは2027年1月末が販売終了予定として掲載されています。今回の解除対象に200mgは含まれていません。
なお、メーカーの供給停止予定日は、各薬局の在庫がなくなる日と同じではありません。
卸や薬局に残る数量によって調剤できる期間は異なるため、実際の納品見込みを確認する必要があります。

そもそもボリコナゾールとは?
ボリコナゾールは、深在性真菌症の治療などに用いられるアゾール系抗真菌薬です。細菌に対する抗菌薬とは、治療対象が異なります。
併用薬との相互作用や肝機能、視覚症状などに注意が必要で、血中濃度を確認しながら治療を調整することもある薬です。
個人的には、禁忌が多いので、すごく使いづらい印象
そのため、供給の都合で薬を変更する場面でも、同成分の銘柄変更と、別成分の抗真菌薬への変更は分けて考えます。
別成分への変更は、処方医による治療方針の検討が必要です。
50mgが入らないからといって、200mg錠の分割などで自己判断の対応を進めることも避け、処方内容と変更の可否を確認します。

モンテルカストは「出荷量減少」のまま通常出荷へ
モンテルカストの対象製品については、「出荷量減少・通常出荷」と案内されています。
「減少しているのに通常出荷?」と感じるかもしれませんが、出荷量と受注への対応は、別の項目として示されています。
| 項目 | 確認していること |
|---|---|
| 出荷量の状況 | 比較対象となる期間や予定量に対して、どの程度の出荷可能量があるか |
| 製造販売業者の対応状況 | 受注に対して対応できているか |
今回のモンテルカストは、比較対象に対する量は減少しているものの、受注への対応は通常出荷になったという読み方です。
薬局では、過去と同じ出荷量まで戻ったと受け止めず、必要な包装が実際に納品されるかを確認しておくと安心です。

モンテルカストはどんな薬?
モンテルカストは、ロイコトリエン受容体拮抗薬です。今回のチュアブル錠5mgと細粒4mgは、小児の気管支喘息に用いられます。
すでに起きている喘息発作を速やかにしずめるための薬ではありません。
供給状況や症状の落ち着きだけを理由に、患者さんや保護者の判断で服用を中断しないことが大切です。
銘柄や剤形が変わるときには、年齢、処方量、飲み方を確認します。同じモンテルカストという名前でも、チュアブル錠・通常の錠剤・細粒を、単純に置き換えられるとは限りません。
薬局では「次に足りなくなる日」から逆算する
ここからは、供給案内を踏まえた薬局での対応の提案です。
限定出荷解除を発注システムに反映するだけで終わらず、継続患者さんの調剤予定と重ねて確認したいところです。
| 確認すること | 実務での見方 |
|---|---|
| 継続処方の有無 | 使用患者と、次回来局のおおよその時期を確認する |
| 現在庫と必要量 | 現在庫で何日分・何回分の調剤に対応できるかを把握する |
| 卸の納品見込み | 注文できるかに加え、数量と納品予定日を確認する |
| 変更先の調達 | 同成分・同規格の他銘柄について、最新の供給状況と納品可否を確認する |
| 処方変更の手続き | 変更不可の指示、患者の意向、変更調剤の要件、必要な疑義照会を確認する |
例えば、ボリコナゾール50mgを継続している患者さんの次回来局が11月に見込まれる場合、10月中に今回分を調剤できても、その次の調達は別途確認が必要です。
「欠品してから探す」では、処方医への相談や患者さんへの説明が来局当日に集中してしまいます。
次回の不足が見える段階で動くことが、待ち時間や治療の中断を防ぐ備えになります。
必要量を見通して調達し、過度な買い込みを避けながら、他銘柄へ切り替える時期も含めて検討したいですね。

患者さんには、治療を続けるための準備として説明する
ボリコナゾールを継続中の患者さんには、例えば次のように伝えられます。
今のお薬は、メーカーから今月末に供給が止まる見込みと案内されています。次回も治療を続けられるよう、同じ成分のお薬の取り寄せなどを確認しています。飲み方は自己判断で変えず、残りが少なくなる前にご相談ください。
供給の話だけで不安が大きくならないよう、薬局が何を確認し、いつご案内するかも一緒に伝えることが大切です。

まとめ|解除の確認と、継続処方の準備をセットに
今回のニュースで押さえたいのは、限定出荷が解除されても、製品ごとの見通しは異なるという点です。
ボリコナゾール50mgは、今月末の供給停止を見据えて次回分を確認する。
モンテルカストは、出荷量と受注対応の違いを理解し、必要な包装の納品を確認する。
供給情報を読んだ後に、「この情報が、自局のどの患者さんに関係するか」までつなげることが、薬局の大事な役割だと感じます。
よくある質問
Q. 今回は3製品ですか、4製品ですか?
3製品・4包装です。モンテルカスト細粒4mg「DSEP」には14包と140包の2包装が含まれます。
Q. ボリコナゾール50mgは、今後も通常出荷が続きますか?
2026年10月末に供給停止・欠品となる見込みが案内されています。今回の解除だけで、継続的な調達が可能になったとは判断できません。
Q. ボリコナゾール200mgも限定出荷解除ですか?
今回の解除対象には含まれていません。50mgとは別に供給状況を確認してください。
Q. 出荷量減少でも通常出荷になることはありますか?
あります。比較対象に対する出荷可能量と、受注に対応できているかは別の項目です。
Q. 手元にある薬も服用をやめる必要がありますか?
今回の案内は供給に関するものです。自己判断で中止せず、処方どおり服用し、次回分の確保について薬局や医療機関に相談してください。


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