こんにちは!しぐですーーー。
今回は川崎病について。
薬剤師の方で、ある程度経験を積んでいる方であればご存知の方も多いと思います。
この川崎病もそうですが、新しい発見をすることってとってもスゴイことですよね。
その発見したこと・ものに関して自分の名前をつけることができる!
恐竜の名前も、星の名前も、薬の名前も。後世に自分の名前を残すってスゴイです。
宇宙兄弟の36巻も発売になりましたね。
川崎病とは
1967年に、川崎博士が「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」として初めて報告したことから世界的に「川崎病」と呼ばれている疾患。日本では1年間に1万5千人以上の小児が発病していると言われています。1歳前後の小児をピークに4歳以下の小児が80%以上を占めている。思ってたよりもけっこういるんですよね。川崎病の患者さんって。男児の方が、女児より1.3倍多く発病するというように男女差が少しあるようですね。
病態と症状
原因は不明で、全身の血管に炎症が起こります。
下記症状のうち、5つ以上があてはまると川崎病と診断されます。
●原因不明の39℃を超える発熱
●全身に水疱を持たない赤い発疹が現れ、BCGあとも赤くはれる
●手のひらや足の裏が赤くむくんでかたくなる
●くちびるが荒れて出血し、舌もイチゴのように赤くブツブツが出る
●発熱して数日後、両方の白目が充血し真っ赤になる
●首のリンパ節がはれる
心臓に血液を送り込んでいる冠動脈に瘤ができることがあるため、川崎病の疑いがある時には心臓の超音波検査が可能な病院に入院する必要があります。この冠動脈の異常は川崎病を発症した小児の10%ほどにみられ、血流が悪くなることで心筋梗塞となり命にかかわることもあります。無治療の場合は25%前後の患者さんで冠動脈病変を合併してしまうみたい。なので入院中から退院後まで、血管の炎症を抑える薬や血液がかたまらないようにするための薬で治療を行います。
治療
一般的には「免疫グロブリン療法」と「アスピリン療法」を併用します。
※重症例では「ステロイド療法」の併用も行う
●免疫グロブリン療法
発症から7日以内に免疫グロブリンの大量投与を行い、全身の炎症を抑えることで冠動脈瘤ができるのを防ぎます。免疫グロブリン(抗体)とは血液中の成分で、体に入ってきた病原体などから私たちを守る『免疫』というシステムにおいて重要な役割を担うタンパク質です。この、免疫グロブリン(抗体)を高純度に精製することにより、注射できるようにした製剤です。現時点でもっとも効果的な治療法で、アスピリン療法単独よりも冠動脈瘤ができる頻度を少なくします。現在、日本では約90%以上の患者さんに免疫グロブリン療法が行われています。
●アスピリン療法
「血管の炎症を抑える抗炎症作用」と「冠動脈での血栓予防」のためにアスピリンを経口投与します。症状が軽い患者さんにはこのアスピリン療法だけで対応することもあるみたいです。急性期の症状がなくなってからは、アスピリンなどの血液を固まりにくくする薬(抗血小板薬)を1ヵ月~3ヵ月後くらいまで服用することがあります。
●ステロイド療法
これはいろんなステロイドの、いろんな用法用量・投与方法があるので省略します。
ただ、以前までは「解熱・抗炎症効果は顕著であるが冠動脈の修復も抑制してしまい動脈瘤破裂の危険性が上がる」という理由から禁忌になっていたようです。
今ではステロイドを使用した方が再燃も後遺症も少なくなるといった報告があるみたいです。
薬局で処方を受ける薬剤
●アスピリン
処方の95%はこれですね。ホントに川崎病といえばコレ。
急性期は院内で30〜50mg/kg/日で服用を開始。症状改善後は5〜10mg/kg/日に減量し、通院にて対応する。薬局ではこの減量後の処方箋をお持ちの患者さんにお薬をお渡しすることになりますね〜。ごく少量のアスピリン。少量過ぎて調剤も大変だったり。
2〜3ヶ月は継続し、心臓の超音波検査や心電図で問題なければ投与終了となるようです。
そして、自分が薬剤師になって1度だけ処方を受けたことがある薬剤がフロベン顆粒8%!
当時は「なんで子どもにこんな珍しいNSAIDsを使うのかなー」って思ってた
(なんなら欠品した)のですが、調べてみると
肝機能障害等の理由でアスピリンを服用できない場合にフロベン顆粒8%を用いる。
へえーーーーーー!川崎病に第2の薬があったなんて!!初めて知ったーーー。
初期用量3〜5mg/kg/日、症状改善後は3mg/kg/日で継続する。
アスピリン療法よりも肝機能障害等副作用の発生が著しく低いという報告があるみたい。
ほぼほぼアスピリンで対応可なのですが、上記フロベン顆粒のようにアスピリン服用不適時に処方される薬剤として「ペルサンチン」「パナルジン」なども候補としてあるみたいです。
重症例には、免疫グロブリン療法+アスピリン療法+ワルファリンといった組み合わせでの治療もあるようです。
服用終了後も、1年間隔での定期検診が推奨されてるみたいですね。
こんな感じですね。
発見が1967年なので、まだ新しい疾患なんですよね。川崎病。
原因不明とは言われてますが、原因が感染症だったり、そこからくる自己免疫疾患だったりっていう研究が進んでるみたいです。まあ現時点での治療法で予後がいいみたいなので、今後また新しい治療法が出てくるのかはわかりませんが。
今回は全体を通してマジメな内容でした!
そういえば今回の内容にも出てきたワルファリン。みなさん小児用量って知ってますか?
けっこうなボリュームになってしまうので、これについてはまた次回。
次回はワルファリンにからめてDOACについて書きたいな。
また何か学んだり、復習し直したりする際は書き込んでいきますね〜
ではでは、しぐでした〜〜〜っ
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