2026年学校環境衛生基準改正|エチルベンゼン370μg/m³へ・学校薬剤師が押さえたい変更点

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2026年「学校環境衛生基準」は何が変わった?学校薬剤師が押さえたい改正点

2026年学校環境衛生基準改正をイメージした学校薬剤師と学校のイラスト

こんにちは、薬剤師のしぐです。

今回は、学校薬剤師として活動している方にはぜひ確認しておきたい、

「2026年の学校環境衛生基準改正」

についてまとめます。

学校薬剤師をやっていると、

「去年もこの方法でやったから、今年も同じで大丈夫かな」

となりがちなんですが……

2026年4月1日から、学校環境衛生基準が一部変わっています。

今回の改正で特に押さえておきたいのは、VOC、つまり揮発性有機化合物について。

なかでも大きいのが、

エチルベンゼンの基準値変更です。

これまで、

3,800μg/m³以下

だったものが、

370μg/m³以下

になりました。

「3800から370?」

……そうなんです。

約10分の1です。

さらに、一部のVOCについては測定方法も変更されています。

学校薬剤師としては、

「基準値が変わったらしい」

だけで終わらせず、

何が変わったのか、なぜ変わったのか、今年の検査では何を確認すればいいのか

まで押さえておきたいところ。

今回は、2026年改正の内容を学校薬剤師目線でわかりやすく整理してみます!

なお、学校薬剤師の仕事内容や年間スケジュール、照度・空気・飲料水などの検査全体については、こちらの記事でまとめています。

学校薬剤師とは?仕事内容・年間スケジュール・検査内容を現役薬剤師が解説【2026年版】
こんにちは、薬剤師のしぐです。今回は、いつもの薬局や薬のお話とは少し違って、**「学校薬剤師」**について。「学校薬剤師…

2026年4月1日、学校環境衛生基準が一部改正

文部科学省は2026年2月27日付で「学校環境衛生基準」の一部改正を通知し、2026年4月1日から施行しました。

今回の改正点は、大きく分けて2つです。

① エチルベンゼンの基準値変更

3,800μg/m³(0.88ppm)以下

370μg/m³(0.085ppm)以下

② 一部VOCの測定方法を変更

次の5物質について、

  • トルエン
  • キシレン
  • パラジクロロベンゼン
  • エチルベンゼン
  • スチレン

測定方法から**「容器採取法」**が削除されました。

今回の改正は、あれもこれも一気に変更されたわけではありません。

だからこそ、

「エチルベンゼン」と「VOC測定方法」

この2点をまずしっかり押さえておけば大丈夫です。


最大の変更点|エチルベンゼンが3,800→370μg/m³へ

学校薬剤師が教室で学校環境衛生検査を行うイメージ

今回、一番インパクトが大きいのはここですよね。

改正前

3,800μg/m³以下

2026年4月1日以降

370μg/m³以下

単位を見落とさないように注意しつつ比較すると、基準値はおよそ10分の1になっています。

学校薬剤師として以前から活動している方ほど、

「エチルベンゼン=3800」

という数字が頭に残っているかもしれません。

でも2026年度からは、

「エチルベンゼン=370μg/m³以下」

です。

ここはしっかりアップデートしておきたいですね。


そもそもエチルベンゼンって何?

エチルベンゼンは、VOCと呼ばれる揮発性有機化合物のひとつです。

接着剤や塗料の溶剤・希釈剤などに使用されることがあり、学校でも、

  • いす
  • 塗料
  • 油性ペン
  • 接着剤
  • ホワイトボードマーカー
  • 床ワックス

などから放散される可能性があります。

学校って考えてみると、

机もある。

棚もある。

掲示物を作るための接着剤も使う。

油性ペンも使う。

床のワックスもかける。

子どもたちが毎日長い時間を過ごす場所だからこそ、

教室内の化学物質を適切に管理することが大切なんですよね。


なぜ2026年に基準値が変わったの?

「ところで、なんで急に3800から370になったの?」

ここも気になりますよね。

きっかけは、厚生労働省による室内空気中化学物質の室内濃度指針値の見直しです。

最新の知見をもとにエチルベンゼンの有害性評価が行われ、2025年1月、室内濃度指針値が、

3,800μg/m³ → 370μg/m³

へ改定されました。

それを受けて、学校環境衛生基準についても同様に見直された、という流れです。

つまり、

学校だけ突然厳しくした

という話ではなく、

室内空気に関する新しい知見

厚生労働省が指針値を変更

学校環境衛生基準も変更

ということですね。


VOCの測定方法も変更|「容器採取法」が削除

今回もうひとつ変わったのが、

VOCの測定方法です。

対象となるのは、

  • トルエン
  • キシレン
  • パラジクロロベンゼン
  • エチルベンゼン
  • スチレン

の5物質。

これらについて、学校環境衛生基準の測定方法から**「容器採取法」**が削除されました。

なぜ容器採取法が削除された?

厚生労働省による室内空気中化学物質の測定マニュアル見直しで、

容器採取-ガスクロマトグラフ/質量分析法は一般的に大気中VOCの採取に使われる方法で、室内空気の採取方法としては適当ではない

として削除されたことを受けた変更です。

ここは、

「エチルベンゼンだけ測定方法が変わった」

ではないので注意。

5種類のVOCについて容器採取法が削除

と覚えておくと整理しやすいと思います。


学校薬剤師は2026年度の検査で何を確認すればいい?

学校薬剤師が2026年版の検査票や記録を確認しているイメージ

ここからが実務として大事なところ。

今回の改正を受けて、学校薬剤師としてまず確認したいポイントを整理します。

① エチルベンゼンの基準値を「370」に更新

以前の資料や自分で作ったチェック表に、

3,800μg/m³

と書かれていないか確認。

2026年4月1日以降に実施する定期検査では、新しい370μg/m³以下という基準を満たしているか確認するよう文部科学省から示されています。

過去の資料をコピーして使っている場合は特に注意ですね。


② 使用している検査票が最新版か確認

これもかなり重要。

日本薬剤師会では、改正に対応した

学校環境衛生検査票 ver.1-2(2026年4月)

を公開しています。PDF版だけでなくExcel形式も用意されています。

学校薬剤師として今年度の検査を行うなら、

昔ダウンロードした検査票をそのまま使っていないか

一度確認しておくのがおすすめです。

これは地味だけど、かなり大事。


③ VOC検査の採取・分析方法を確認

検査を外部の検査機関へ依頼している場合も、

「今回の学校環境衛生基準改正に対応した方法になっているか」

を確認しておくと安心です。

学校薬剤師自身がすべての分析操作をするわけではなくても、

どんな方法で検査されているのかを把握しておくこと

は大切だと思います。


④ 新築・改築・備品搬入時にも注意

文部科学省の通知では、

  • 学校施設の新築
  • 改築
  • 改修
  • 机・いすの搬入
  • コンピュータなど新しい学校用備品の搬入

などが行われた場合には、学校環境衛生管理マニュアルを参考に、適切に検査するよう示されています。

新品の机や家具って、

見た目はきれいなんですが、

「新しいから衛生的で問題なし!」

とは限らないんですよね。

化学物質という視点では、新しいものを入れたタイミングだからこそ確認が必要になることがあります。


VOC検査はいつ行う?

学校環境衛生基準では、ホルムアルデヒドやVOCについて、教室等の温度が高い時期に検査することとされています。

これにもちゃんと理由があります。

VOCは揮発性の化学物質。

一般的に温度が高くなると放散量も増えやすいため、

濃度が高くなりやすい条件で確認する

という考え方ですね。

「なんとなく夏に検査する」

ではなく、

なぜその時期なのか

まで知っておくと、学校側へ説明するときにも分かりやすいと思います。

今後、

👉 【内部リンク予定:学校薬剤師のVOC検査|ホルムアルデヒド・エチルベンゼンなどを解説】

として、採取場所や検査時期まで詳しくまとめます。


エチルベンゼン以外のVOC基準値は?

せっかくなので、2026年時点の学校環境衛生基準で確認するVOCも整理しておきます。

物質基準値
ホルムアルデヒド100μg/m³以下
トルエン260μg/m³以下
キシレン200μg/m³以下
パラジクロロベンゼン240μg/m³以下
エチルベンゼン370μg/m³以下
スチレン220μg/m³以下

2026年改正で基準値そのものが変わったのは、今回の対象ではエチルベンゼンです。現行基準は文部科学省の令和8年改正後の溶け込み版で確認できます。

この表は学校へ行く前にサッと確認できるよう、個別のVOC記事でも使いたいところです。


しぐの学校薬剤師メモ

学校薬剤師が教室でVOCや化学物質に関する確認を行うイメージ

今回の改正で個人的に気をつけたいと思うのは、

「去年と同じ」が必ずしも正解ではない

ということ。

学校環境衛生検査って、毎年ある程度決まった流れで行います。

だからこそ、

「去年の検査票を出して……」

「去年と同じ基準で……」

と進めてしまいやすい。

でも今回は、

3,800 → 370μg/m³

です。

数字としてかなり大きな変更ですよね。

学校薬剤師として、

検査をすることだけではなく、基準そのものが変わっていないか確認する。

これも大切な仕事なんだと思います。


2026年版の学校環境衛生検査票も公開されています

今回の改正に合わせて、日本薬剤師会では学校環境衛生検査票を更新しています。

2026年8月時点で公開されているのは、

学校環境衛生検査票 ver.1-2(2026年4月)

です。

検査票には、

  • 教室等の環境
  • 飲料水
  • 学校の清潔
  • ネズミ・衛生害虫
  • 教室等の備品

など、学校環境衛生基準に沿った項目が整理されています。

学校薬剤師を始めたばかりの方なら、

「まず何を確認すればいい?」

というときに、一度この検査票全体を眺めてみるだけでもかなりイメージしやすいと思います。

学校薬剤師とは?仕事内容・年間スケジュール・検査内容を現役薬剤師が解説【2026年版】
こんにちは、薬剤師のしぐです。今回は、いつもの薬局や薬のお話とは少し違って、**「学校薬剤師」**について。「学校薬剤師…

2026年学校環境衛生基準改正についてよくある質問

Q. 学校環境衛生基準はいつから変わった?

2026年4月1日から施行されています。

そのため、2026年4月1日以降に実施する定期検査では、新しい基準に基づいて確認します。

Q. エチルベンゼンの新しい基準値は?

370μg/m³(0.085ppm)以下です。

従来は3,800μg/m³(0.88ppm)以下でした。

Q. すべてのVOCの基準値が変わったの?

いいえ。

今回、基準値が変更されたのはエチルベンゼンです。

一方で、トルエン・キシレン・パラジクロロベンゼン・エチルベンゼン・スチレンについては、測定方法から「容器採取法」が削除されました。

Q. 2025年度までの検査票をそのまま使っていい?

最新版を確認することをおすすめします。

日本薬剤師会から、改正に対応した**ver.1-2(2026年4月)**の学校環境衛生検査票が公開されています。

Q. 新しい机や備品を入れたときもVOCに注意する?

はい。

文部科学省は、新築・改築・改修だけでなく、机・いす・コンピュータなどの新しい学校用備品を搬入した場合についても、適切に検査するよう示しています。


まとめ|2026年改正は「エチルベンゼン370」と「VOC測定方法」をまず押さえよう

今回は、2026年4月1日に施行された学校環境衛生基準の改正についてまとめました。

今回、学校薬剤師としてまず覚えておきたいのは2つ。

エチルベンゼン
3,800μg/m³

370μg/m³

そして、

トルエン・キシレン・パラジクロロベンゼン・エチルベンゼン・スチレンの測定方法から「容器採取法」が削除。

この2点です。

そして実務では、

2026年4月版の新しい検査票を使っているか

も確認しておきたいところ。

学校薬剤師の環境衛生検査って、一見すると毎年同じことの繰り返しにも見えます。

でも、

基準が変わる。

測定方法が変わる。

学校の設備も変わる。

だからこそ、

「今年も去年と同じ」ではなく、最新の基準を一度確認してから学校へ行く。

これは大事ですね。

これからこの「学校薬剤師」カテゴリーでは、

「じゃあVOC検査って実際どうする?」

「照度はどこを9か所測る?」

「CO₂はどこで測定する?」

といったところまで、ひとつずつ実務寄りに掘り下げていきます。

学校へ行く前に、

「ちょっと、しぐブログで確認しておこう」

と思ってもらえるカテゴリーにしていけたら嬉しいです。

ではでは。

しぐでしたっ!

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